13.ナンテン ─→ 詳細はこちら
漢薬名は

別名
ナンテンは赤い実、白い実がありますが、どちらを使っても効能には差がないといわれています。ただ白実が賞用されるため赤実を漂白して白ナンテンとしたものが出回っています。白実の果肉の方が赤実よりも肉厚で簡単に判別出来ます。中国の本草書に記載がないので、日本独自の民間薬といえます。薬用には南天の実を乾燥させたモノを使います。咳痰にはサポニンという成分の薬草をよく使いますがナンテンの成分のドメスチンはアルカロイドという成分です。薬理作用が強いのでナンテンは少量で十分効きます。乾燥させた実を5〜10gを水500`で半量まで煎じて1日3回飲みます。煎じる時に蜂蜜や水飴などを入れてシロップ状に作ると更に良く効きます。子供の場合は1日が3〜5g。昔は子供の百日咳に使われていたようです。この量は過ぎないよう十分ご注意下さい。また、古来より「目を明らかにする」とされ色々な目病などによる視力障害にもナンテンは利用されてきました。ナンテンの生葉は赤飯に添えられています。葉に含まれるナンジニンという成分は赤飯の湯気によって、解毒作用の成分が加水分解されて発生します。赤飯が腐敗しない為の日本人の知恵なのです。ナンテンは庭に1本植えておくと便利ですね。

白南天は昔は珍重されて、わざわざ赤い実を漂白して白南天として流通していました。

白南天も赤南天も効能は同じなので現在は無漂白の赤南天の生薬方が主に流通しています。


●情報提供、長岡孝実「漢方薬局一貫堂」
g26-2620、ホームページ http://ikkando.com