タラノキ花 | 生薬「タラコンピ」 |
【基原植物 】 | タラノキAralia elata メダラ A. elata var. canescens |
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【 生薬名 】 | タラ根皮、タラ木皮 ARALIAE CORTEX | |
【 科 名 】 | ウコギ科Araliaceae | |
【 別 名 】 | トリトマラズ、ウドモドキ | |
【薬用部位】 | 根の皮、幹の皮 | |
【 主成分 】 | 脂肪油(ペトロセリン酸、パルミチン酸、リノール酸)、サポニン(オレアノール酸、アラロシドA,B)、配糖体、精油、フェノール類(プロトカテキュ酸)、コリン | |
【薬理作用】 | ①タラノキ皮部水性エキスを用いて、アドレナリン過血糖、ブドウ糖過血糖、アロキサン過血糖における制糖作用を検討したところ、(イ)制糖作用はアロキサン過血糖に対して最も強く、次いでアドレナリン過血糖、ブドウ糖過血糖の順であった、(ロ)春・秋の採集エキスについては、春採取エキスが各種過血糖症状に比較的強い制糖作用を示したのに対し、秋採集エキスには制糖作用が殆ど認められなかった。 ②タラノキ煎剤アドレナリン拮抗作用はコリンに由来するもので、β-タラリンおよびプロトカテチュウ酸には制糖作用はなく、しかもプロトカテチュウ酸は正常家兎に対し、逆に血糖上昇をきたす。 |
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【 薬 性 】 | 気味、帰経はともに不詳、(私考:胃経・腎経と思われる) | |
【 効 能 】 | ●糖尿病、腎臓病、浮腫の利尿、胃のむかつき、10~15gを煎服する | |
●タラ根皮はタラ木皮よりも糖尿病に効果が良い事が証明され1989年より局外生規に収載。 | ||
●日本では制糖作用があるとして民間的に糖尿病に応用する。日中で臨床への応用が異なっている | ||
●中国では楤木根は消腫・止痛・健痺・利水薬として、リウマチ様関節炎、急性慢性肝炎、打撲傷、骨折、腫毒等に用いる、また、楤木白皮は健胃、収斂、利尿、抗糖尿薬として糖尿病、腎臓病、胃潰瘍等に応用される。 | ||
●秋採取したものは春採取したものよりも効果が劣るともいわれている | ||
●棘のあるもの、無いもの(メダラ)ともに同様に使う | ||
糖尿病の民間薬 | ①タラノキ、連銭草、枇杷葉、各5gを煎服する これに一位5gや紅ザラサ2~3g、蘭草3gを加えてよい ②タラ根皮、イチイ葉、浜千舎各10g 刈米達夫氏の創薬で先代の栃本天海堂社長により中国地方に広がった処方 ③タラ根皮20g、イチイ葉15g、連銭草12gを水800mlにて煎服する |
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【 備 考 】 | ◆新芽は天ぷらにして食べるとおいしい | |
秋採取は春採取よりも効果が劣るといわれている | ||
【処 方 例】 | ||
研究者用に調査した資料 |