36.フキ(蕗;ふき、蜂斗菜;ほうとさい) ─→ 詳細はこちら
身近にある薬用植物
35.フキ(蕗、蜂斗菜)
暖かくなり、フキノトウが土の中から顏を出す時節になりました。冬眠からさめたクマも栄養価の高いフキノトウを良く食べるといいます。
フキPetasites japonicus(キク科Compositae)は雌雄異種の多年草、早春に地下の根茎から大型の苞をつけた花茎を伸ばしその先端に頭状花をつけます。山菜としてフキを日本人は食べますが、中国では食用ではなく薬としています。フキは江戸時代から品種改良が行われ、愛知早生フキ・水フキ・秋田フキなどがあります。スーパーなどに多く出回っているものの多くは「愛知早生フキ」で、その変種に水フキ(やや小振りの晩生種)」「秋田フキ(大型で硬く、主に佃煮や砂糖漬けの原料)があります。成分はフキノトウにはクエルセチン・ケンフェロール・苦味質・精油・ブドウ糖など、葉や茎には苦味配糖体、粘液質、サポニン、コリン、タンニン、酒石酸などを含みます。薬用としての用い方はフキノトウがまだ蕾の頃に採り日陰干しにし、咳止め・痰切り、胃のもたれ、胃痛に1日10〜20cを水400tで半量に煮つめ3回に分けて飲みます。根茎は夏から秋に掘り起こし水洗いし乾燥させます(生薬‥蜂斗菜)。咳止め・解毒に1日10cを水400tで半量に煮つめ3回に分けて飲みます。生の根茎はすり潰して、打ち身、外傷、のどの痛みに外用します。ある種の研究でフキには抗腫瘍作用や抗アレルギー作用が確かめられています。解毒薬としてフキを覚えておくと良いでしょう。
●情報提供は漢方薬局一貫堂、薬剤師長岡孝実、行橋市中央3-2-27、
g26-2620、 http://ikkando.com