34.ホンアンズ、アンズ「杏仁(キョウニン)」
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身近にある薬用植物

34.
バラ科Rosaceae のホンアンズPrunus armeniaca、アンズP.armeniaca var. ansu の種子の仁は鎮咳去痰薬として重要です。キョウニンと発音するのが正式です。誰がいつ頃から言い出したのか不明ですが、アンニンと発音しても中国人には通じません。
杏仁には甜杏仁と苦杏仁があります。杏仁豆腐には甜杏仁を
利用しますが、これは別の植物では入手困難です。また苦杏仁(一般に流通する生薬の杏仁)を使うと苦くて食べられたものではありません。鎮咳作用はアミグダリンという青酸配糖体で、水で加水分解してベンズアルデヒドになると独特の芳香(杏仁豆腐の香り)を放ちます。バラ科植物には成分にアミグダリンを含む物が多く、ビワ、カリン、サクラなども咳止めに利用されます。日本薬局方にはキョウニン水が収載され、医療現場で鎮咳去痰薬として日常的に利用されています。キョウニン水は劇薬に指定されていますので、大元の杏仁も飲み過ぎないようご注意ください。●咳止め、痰切り、喘息、呼吸困難に1日3〜6cを水400_gで半量に煎じ1日3回に分けて食間に飲みます。アーモンドや銀杏にも同様の青酸配糖体成分を含みますので食べ過ぎに注意しましょう。銀杏を茶碗一杯食べて死亡したという報告もあります。 ●情報提供は漢方薬局一貫堂、薬剤師長岡孝実、行橋市中央3-2-27、g26-2620、 http://ikkando.com