27.キンミズヒキ「仙鶴草(センカクソウ)、竜牙草(リュウゲソウ)」 ─→  詳細はこちら
身近にある薬用植物
キンミズヒキ「仙鶴草(せんかくそう)、竜牙草(りゅうげそう)」
 バラ科Rosaceaeのキンミズヒキは山間部のやや陽当たりの悪い所に生えています。ちょうど今の時節8月9月下旬からに黄色い小さな花を連なるように咲かせます。先日、犀川の大坂山に登った時山頂に可憐に咲いていました。絶滅のおそれのある植物でもあります。仙鶴草は止血の効能があり、様々な出血に対して虚実寒熱※の別なく用いられます。使いやすい薬草です。江南(揚子江流域)では「脱力草」と称され、赤棗と共に煮込んで食し気血を補い勢力消耗し虚脱状態の治療に使われています。また日本では下痢止め、止血剤として一般的に用いられています。夏の終わりの開花期に全草を採取し乾燥させたを1日10〜15cを水500tで煎じ服用します。口内炎や歯茎からの出血には5cの煎液で1日数回うがいをします。成分のタンニン類が有効に作用しています。西洋では同種の西洋キンミズヒキが同じ様に利用されています。 ※〔語句〕虚実寒熱:漢方では、体が冷え(寒)を感じれば温める、体が熱く感じれば(熱)冷ます作用のあるものを使います。体と病邪の戦いで戦いの激しさにより体の緊張状態が病的に高まり過ぎた時(実)は緊張を消沈させ(蒸気釜の圧力を下げるようなもの)、病邪に体がただ攻められっぱなし(虚)の場合は体力を増強させる(圧力を上る)、このような方法で病に対処します。



●情報提供 長岡孝実「漢方薬局一貫堂」
g26−2620、  http://ikkando.com