22.「ツルナ」浜千舎 ─→ 詳細はこちら
身近にある薬用植物22  「ツルナ」

海岸の砂地に生える肉厚の多年草です。黄色の小さくてかわいい花を葉の付け根に付けます。蔓状で食べられるので蔓菜 → ツルナと名付けられました。出来るだけ柔らかい葉を摘んできて、天ぷら、ごま和え、お浸し、汁の具などにして食べると美味しいです。貝原益軒は著書大和本草(1708)に「葉アカザの如く繁衍(ハンエン)す。~葉(ワカバ)を食す。五月に小黄花を葉間に開く。実は大豆の如し、大豆は五角があって刺の如し」と記され当時食べられていた事がわかります。薬用には開花期のに採取し乾燥させて保存します。これを生薬「蕃杏」といいます。別名をハマナ、ハマジシャ、ハマチシャ(浜千舎)といいます。英名はニュージーランドほうれんそうといい、探検家キャプテン・クックがニュージーランドの海岸から持ち帰ったからです。大正末期から昭和初期にかけて胃ガンによいと大ブームになりましたが、余り効果はなかったといいます。現在では胃潰瘍、胃酸過多、胃腸カタルに1日15〜20gを水500`で煎じて分けて飲まれています。ナマのツルナも薬用にします。切り傷には、すり潰して患部に塗ります。全草をさっとゆでて天日乾燥してお茶として飲む。秋の種子を排水の良い土で鉢植えにすれば何時でも利用できます。
 資料提供、長岡孝実、漢方薬局一貫堂 http://ikkando.com