13.サンショウ ─→ 詳細はこちら
漢薬名は山椒、蜀椒、花椒、川椒などがあります。
別名をハジカミといいます。
日本薬局方での規定はミカン科のサンショウまたはその他同族植物としています。サンショウ、アサクラザンショウ、イヌザンショウいずれも薬用にします。山椒と書きます。特に四川省産は蜀椒とよばれます。四川料理の辛味は蜀椒で味付けされています。盆地で蒸し暑くまた寒い地域なので多用さるのでしょう。さて薬用には初秋に完熟した果実をとり乾燥させたのち、黒い種子を除いた果皮を用います。取れたての新しいモノを使う時にはフライパンなどで軽くあぶって油分を少し揮発させます。効能は体を強く温める作用があります。従って冷えによって起こる腹痛やガスが腹に溜まって苦しい時、下痢などに使います。かつては腹中の寄生虫の殺虫にも使われました。芳香と辛味の刺激が内臓の働きを活発化させるので、胃腸の衰えた時の消化不良や食欲不振、胃部のつかえ、などに1日2〜3gを水300`で半量に煎じて3回に分けて食後に飲みます。粉末にして食後30分に1回2g飲んでも良いです。果実の種子には利尿作用があると言いますが私はまだ使った事はありません。新鮮な若芽は料理に添えて使います。生の実は糠床にも利用されています。また魚を煮る時に入れると臭み消しになります。その粉末はウナギやドジョウの料理に使われます。正月に飲む屠蘇にも含まれています。屠蘇は昔は流行病の治療薬で作用の強い成分も入っていました。現在中国では屠蘇を飲む事はしませんが、日本では作用の強い成分はすべて除かれ邪鬼払いに縁起物として飲む習慣が何百年と続いています。私は、毎年この時期になると薬研でゴリゴリと屠蘇を作っています。.

●情報提供、長岡孝実「漢方薬局一貫堂」
g26-2620、ホームページ http://ikkando.com