テンダイウヤク 生薬「烏薬」 生薬「」 


【 生薬名 】  烏薬 LINDERAE RADIX  
【基源植物】  テンダイウヤク Lindera strychnifolia  
【 科 名 】  クスノキ科 Lauraceae
【 別 名 】 天台烏薬、台烏、台烏薬
【薬用部位】
【 主成分 】 精油(rinderane、linderene、linderol)
【 薬 理 】
【 薬 性 】 性味‥辛温無毒 、帰経‥入脾胃肺腎四経
【 功 效 】 温中順気・鎮痙止痛・消食健胃  (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 中風・心腹諸痛・宿食不消・反胃吐食。膀胱冷気・小便頻数・疝気・胃痙攣・喘息・喘急・小児腸寄生虫  (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●行気止痛・散寒温腎
●芳香性健胃薬、鎮痛薬、悪心腹痛特に下腹部の張る痛みによい
●腹部の鎮痛薬として神経性胃腸炎、腸管癒着による腹痛、腹鳴、泥状便などに1日5~10gを水400で煎服する
●下半身を温め、気のめぐりを良くし、痛みを鎮めるのを応用で、小腸ヘルニヤ、副睾丸炎などの下半身の痛み、月経痛に他薬に配合する
●不老長寿の薬として枸杞子などと一緒にお茶代わりに煎服する
●葉はリウマチ性関節炎や打撲に外用
●葉は健胃薬として1日4.5~9gを煎服
【 備 考 】 ●健胃整腸・腸蠕動促進作用があり効能はは木香に勝る
●古人は烏薬は不剛不燥で鎮痛作用が強く、上下の諸気を通理するとしている。現在は気滯や気逆による腹部の疼痛にひろく使用しているが、とくに下腹部の脹った痛みに効果がある。
●効能は木香、香附子と似ている。木香は滞を行らし積聚を消す作用があり積滞瀉痢を治するに用いる。香附子は鬱血を散じ、月経不順を治すに用いる。烏薬は下は少陰腎経に通じ上は脾胃の元気を整える故に、吐瀉、腹痛、下焦の冷気を治するに用いる。
【 出 典 】 ●中悪、心腹痛、蠱毒コドク、忤シュゴ、鬼気、宿食の不消化、天行疫瘴(はやり病)、膀胱と腎の間の冷気が背膂を攻衝するもの、婦人の血気、小児腹中の諸虫を主治する(開宝本草)
【 処方例 】 ●天台烏薬散-脱腸、副睾丸炎など(中風、中気の諸証を治す)
●烏薬順気散-気のめぐりが悪いため起る四肢痛、麻痺、頑固な肩こり