オオバコ 生薬「車前子」 生薬「車前草」 


【基原植物 】  オオバコ Plantago asiatica
【 生薬名 】  車前子 PLANTAGINIS SEMEN
  車前草 PLANTAGINIS HERBA
【 科 名 】 オオバコ科Plantaginaceae
【 別 名 】 當道、芣苡フイ
【薬用部位】 車前子‥種子
車前草‥全草
【 成 分 】 車前子‥粘液質、プランタザン、アウクビン、コリン
車前草‥アウクビン、プランタギニン
【薬理作用】 車前子には利水作用があり、その作用は水分の排泄を増加させるだけでなく、尿中の尿素、NaCl、尿酸などの排泄も同時に多くする。車前草の水浸剤(1:4)は各種皮膚真菌に対し不同ではあるが抑制作用がある。
臨床的には車前草に含まれるplantaginには鎮咳効果があり、溶血作用はなく子供の咳にも良い。車前子・草ともに蘚品を用いる方が良い。
【 薬 性 】 車前子/性味‥甘寒無毒  帰経‥入肝腎小腸経
(常用薬剤選輯) 車前草/性味‥甘寒無毒   帰経‥入大小腸二経
【 功 效 】
  (常用薬剤選輯)
車前子/消炎解熱、利尿通淋、鎮咳祛痰、止瀉、清肝明目
車前草/清熱涼血、利尿通淋、鎮咳祛痰、止衄血、明目
 【 主 治 】
 (常用薬剤選輯)
車前子/淋病、血尿、小便不利、瀉痢、咳嗽、目赤腫痛
車前草/小便癃閉、尿血、淋病、鼻衄吐血、血痢、腸炎腹瀉、炎症性疾患
【 効 能 】 ●種子5~10gを煎服、咳止め、消炎、利尿、目を明らかにする
 煎じ液は粘っこい
●全草10~15gを煎服、咳止め、利尿、膀胱炎、浮腫、眼病、健胃、便秘
●地域によって解熱、関節痛、心臓病、肋膜炎などに利用しているところもある
●種子の粘液質は水を含むと膨潤するために種子を主成分としたオオバコダイエットなる食品が多数あります
 【 備 考 】 車前子は専ら降泄の薬で、小便を利し、湿熱を清める効があり、あわせて目を明らかにする作用がある。近代では鎮咳去痰の効果が実験的に証明されているが、実際には利水、通淋、清熱、明目に用いる。
【出  典】 一名當道.味甘寒.生平澤.治氣癃.止痛.利水道小便.除濕痹.久服輕身耐老. (神農本草経上品)
【処 方 例】 牛車腎気丸、 車前子湯、車前子散、石葦散