イトヒメハギ 生薬「遠志」


【基原植物】 イトヒメハギPolygala tenuifolia
【 生薬名 】 遠志POLYGARAE RADIX
【 科 名 】 ヒメハギ科Polygaraceae
【 別 名 】 遠志通、肉遠志
【薬用部位】 根、根の芯を去ったものを遠志通(肉遠志)という
【 主成分 】 トリテルペン系サポニン、キサントン系、糖類、フェノール配糖体
【薬理作用】  tenuigenin-A,-Bは、senegin類似のサポニン作用がある。唾液、及び気管支粘膜の分泌物増加作用があり、咳嗽の刺激による祛痰薬となる。遠志の水エキスを各実験動物に与えたら、子宮収縮および筋緊張作用が認められた。
【 薬 性 】 性味‥辛辛温無毒、帰経‥入心腎二経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 強心・益智・安神・祛痰・消癰腫  (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 驚悸健忘・多夢失眠・咳嗽痰多・気管支炎・喘息・癰疽瘡腫
(常用薬剤選輯)
【 効 能 】 動物実験で去痰作用の他、利尿作用、ストレス性胃潰瘍形成を抑制する事が分かっている
鎮静、去痰、抗炎症、強壮薬として精神安定、神経衰弱、病後の不眠、動悸、気管支炎、気管支喘息に応用
1日5gを煎服する、量が多くなると悪心や嘔吐を引き起こすことがある
漢方では心を静め健忘を治すとして使われる
不眠には遠志に酸棗仁と黄連を加えた方が単独で使うよりも効く
 
【 備 考 】
【出  典】 遠志オンジ.一名棘蒬.一名要繞.一名細草.味苦温.生川谷.治欬逆傷中.補不足.除邪氣.利九竅.益智慧.耳目聰明.不忘.強志倍力.久服輕身不老.葉名小草.(神農本草経上品)
【処 方 例】 加味帰脾湯、帰脾湯、人参養栄湯、加味温胆湯、竜骨湯