ジロボウエンゴサク ヤマエンゴサク 延胡索 


【基原植物】  ジロボウエンゴサクCorydalis decumbens
【 生薬名 】  エンゴサクCORIDALIAE TUBER
【 科 名 】 ケシ科Papaveraceae
【 別 名 】 元胡、玄胡、玄胡索
【薬用部位】 塊茎
【 主成分 】 ベンジルイソキノリン型のアルカロイド(corydaline、coptidine、tetrahydropalmatine、protopine、tertahydrocoptidine)
 【薬理作用】 総アルカロイド混合物には抗痙攣作用、強い鎮痛作用が認められモルヒネの40㌫程度の効力を示すtetrahydropalmatine。デヒドロコリダリン(DHC)には胃液分泌抑制作用と抗潰瘍作用が、テトロヒドロパルマチンにも鎮痛鎮静作用が認められる。⇒⇒安中散の薬効の一部を示唆。プルトピンほか数種のアルカロイドには血小板凝集抑制作用が認められ瘀血や心梗塞、脳梗塞の予防に関係する。メタノールエキスには抗炎症作用が認められる。プロトピンにはラット胸大動脈に対しノルエピネフリンおよびカリウムイオンによる収縮とカルシウムイオンの細胞内流入を抑制する。
【 薬 性 】 性味:辛温無毒  帰経:肺肝脾三経 (常用薬剤選輯)
 【 功 效 】 活血散瘀・利気止痛・調経鎮痛  (常用薬剤選輯) 
 【 主 治 】 胸腹諸痛・月経不調・月経痛・産後陣痛・頭痛・疝痛・跌撲瘀血・腹中結塊・子宮出血・胞中淋露  (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 中医学では活血・理気・止痛の効能、すなわち浄血、利尿、鎮痙薬として用いられる
●鎮痛の常用薬で「一身上下の諸痛を治す」としている
●頭痛、胸部痛、腹痛、脇痛、月経痛、関節痛、打撲損傷痛などの鈍痛には即効性があり、効果も確実である
●神経痛、リウマチ、関節痛、生理痛などの痛みに多用する
●鎮痙作用もあり腹痛などの内臓の痛みにも利用
●お酢で修治(酢炒)すれば効力が良くなる
●1日3~5g、最大5~10gを煎服する、粉末は1日1.5g
【 備 考 】 ジロボウエンゴサク、ヤマエンゴサクが生薬として使われるが市場品は中国産のみでまかなわれている
●成分にアルカロイドを含むので用量には注意が必要
●ジロボウとは次郎坊のことで、伊勢地方ではスミレを太朗坊と呼ぶのに対して呼ばれる。子供たちが互いに太朗坊、次郎坊の花を絡ませ引っ張り合って遊んだ
 【禁  忌】 血熱気虚者・経水先期者及孕婦者
【出  典】  ●廷胡索 気温、心腹卒疼、経を通し、血を活し、跌撲、血崩。(薬性歌)
●辛苦而温.入手足太陰厥陰經.能行血中氣滯.氣中血滯.通小便.除風痺.治氣凝血結.上下内外諸痛.癥瘕崩淋.月候不調.産後血運.暴血上衝.折傷積血.疝氣危急.為治血利氣第一藥.然辛温走而不守.通經墜胎.血熱氣虚者禁用.(本草備要)
【 処方例 】 ●安中散、折衝飲