生薬「茯苓」 生薬「茯神」 アカマツに寄生した茯苓
(読みもの漢方生薬学より )


【基原植物】 マツホド Poria cocos
【 生薬名 】 茯神 PORIAE CORTEX
【 科 名 】 サルノコシカケ科Polyporaceae
【 別 名 】 ホヤ。茯靈、白茯苓、鏡苓、雲苓
【薬用部位】 マツ属植物の根に寄生し、伐採後5~6年を経た根の周りに生じた不定形塊状の菌体でマツの根の通ったもの。
【 成 分 】 多糖体のベータパヒマン94%、エブリコ酸
【薬理作用】  
【 薬 性 】 性味‥甘淡平無毒、帰経‥入心脾肺腎四経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 寧心安神・鎮静益智   (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 心悸失眠・精神不安・健忘多患・煩躁・五労口乾   (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●漢方では水分の代謝を調節する、1日3~10g
●鎮静、利尿、強心、強壮作用がある
●利尿、鎮静薬で浮腫、めまい、心悸亢進、口渇、胃内停水、筋肉ケイレンなどに粉末1回2gまでを1日2~3回服用、また1日5gを煎服する。
●茯苓の水製エキスは抗潰瘍作用や血糖降下作用を示す。
●根の通った部分を茯神といい鎮静作用が強いとされる
●広島地方では家畜、とくに牛が弱ったときに強心剤として食べさせる習慣がある
【 備 考 】 茯苓の中にマツの根の通ったものを茯神と称して、後世一般に心病を治すには必ず茯神を用うとしているが、その根拠は薄弱である。
中国では大量に栽培されて食用としての相当量が利用されている
【出  典】 茯苓、無毒。止消渇好唾、大腹淋瀝、膈中痰水、水腫淋結、開胸腑、調臓気、伐腎邪、長陰、益気力、保神守中。其有抱根者、名茯神。(名医別録)
【処 方 例】 茯神丸