アカマツ   マツボックリ   


【基原植物】 アカマツPinus densiflora
【 生薬名 】 松葉 Pinii Folium
【 科 名 】 マツ科Pinaceae
【 別 名 】 赤松、紅松(中国)、雌松、(雄松はクロマツ)。
【来  歴】 松脂から製油を蒸留除去して得た樹脂が、ロジン(コロホニウム)である。
現在日本で生松脂というのはテレビンチナのことで、主にアメリカ産のダイオウマツPinus palustrisから得たバルサムである。日本産のアカマツやクロマツからも採取されると言う
【薬用部位】 葉、幹から得られる樹脂(松脂)は別の生薬で用途も異なる
【 主成分 】 精油、テレビン油、α-,β-ピネン、リモネン、ボルネオールなど、樹脂レボピマル酸、イソピマル酸、ビマル酸、ネオアビエチン酸、パルストル酸、ポリプレノール類
【薬理作用】    ①脂質代謝異常に対する作用‥葉の抽出エキスはモルモットの給餌制限飼育による体重減少を有位に回復し、ラットにストレプトゾトシンを投与時の高脂血症、過酸化脂質増加を抑制する。
②抗セロトニン作用‥アカマツ及びクロマツの葉のエキスは、分離したラット大動脈標本で有位な抗セロトニン作用を認め、この活性成分はポリプレノールであると報告されている
【 薬 性 】 気味は甘苦・温平。 帰経は不明
【 効 能 】      ●松葉は両端を切り落とし炙り、煎じたり酒に浸して服用する
●血流を良くし、肝臓の機能の改善に役立つ
●体を温め、子供の夜尿症に良い
●動脈硬化症、高血圧の予防、胃腸病、咳止めにも用いる 
●高血圧、健忘、心臓病、動悸、息切れ、糖尿病、肝臓病などに利用
●喘息、脳卒中の予防、胃腸病、膀胱炎、肩こりの改善など
●虫歯が痛むときに、数本の松葉を噛むとすぐに痛みが止まるとい 
●松脂は強壮、強心、鎮咳薬、テレビン油は皮膚引赤剤(リウマチ、神経痛に外用)
【禁  忌】
【 備 考 】 精油分は皮膚の刺激作用があるといわれ、皮膚引赤剤に利用する、リウマチ、神経痛、凍傷の予防に軟膏として用いられる
松の花(花粉が散る前200g)や、松かさ(開かない青い時期9-10月、25個縦に2つ割りにする)も、薬用酒として利用できる、ブランデー1.8Lに松葉の要領にて漬け込む
葉と小枝や、樹皮から得られる天然エキスは、精油と15~16%のタンニン含有(樹皮では26~28%)し、神経疾患やリウマチ疾患に浴用剤として利用、入浴後30~60分の十分な休憩が必要である(植物療法 R・F・ブァイス著)
【出  典】 松脂.一名松膏.一名松肪.味苦温.生山谷.治癰疽悪瘡.頭瘍白禿.疥風気.安五藏.除熱.久服軽身不老延年.(神農本草経上品)
【 松葉酒 】 赤松葉350gを洗い2~3㎝に刻む、グラニュー糖100g、ホワイトリカー1.8L(マツヤニ臭いのでブランデーを使った方が飲み易い)、3ヶ月以上熟成、1回20ml、1日2回服用