生薬「反鼻」 まむしの蒸し焼き まむし酒(H19年度作)
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【基源動物】 マムシ Agkistrodon halys
【 生薬名 】 反鼻AGKISTRODON JAPONICAE
【 科 名 】  クサリヘビ科(Viperidae)
【 別 名 】  蝮蛇ふくだ
【薬用部位】 内臓、皮を去って乾燥したもの
【 主成分 】 各種アミノ酸、Ca、脂肪、コレステロール
【 薬 性 】 気味は甘温、帰経は胃脾肝腎に属す
【 薬 能 】 能く風を祛り、毒を攻める効があるので、麻風、癩疾、皮膚の頑痺、瘰癧、痔疾などの治療に用いる。『名医別録』には蝮蛇肉は醸して酒にし、癲疾、諸瘻、心腹痛を療し、結気を下し、蠱毒を除く。また『薬性論』には五痔、腸風瀉血を治すとある。
【 効 能 】 ●滋養強壮、疲労回復に粉末を1日3~6gを服用
●虚弱児の夜尿症に5㎝ほどを炙って長期間食べさせる
●日本では強壮、興奮薬として粉末や黒焼きにして、疲労時、冷え性などに内服する
●民間では黒焼きを切り傷、化膿性腫瘍に外用する
【 出 典 】 ●蝮蛇肉は醸して酒にし、癩疾、諸瘻、心腹痛を療じ、結気を下し、蟲毒を除く。(名医別録・下品)
●五痔も腸風瀉血を治す。(薬性論)
【 処方例 】 天南星丸、伯州散、反鼻交感丹
 マムシ酒 民間では生きたマムシを2週間ほど泥を吐かせた後、焼酎漬けにして飲まれている。35℃以上の焼酎でないと腐ることがある。作る時にマムシに噛まれない様に注意しましょう。
   
『伯州散』について
●福井県地方は伯州といい、そこの民間療法であるため伯州散と呼ばれる
効 能 ●長引いた様々な化膿症の排膿に伯州散をつけたり、1回1gを飲んだり、外用軟膏(紫雲膏)に混ぜて用いたりする。
内 容 ●鹿角、津蟹、反鼻を黒焼き(蒸し焼き)にして同量ずつ混ぜ合わせたもの
 外科倒しの別名があるように良く効く

●モグラの黒焼き(土竜霜)を用いた伯州散もある
禁 忌 炎症(実熱証)のあるときに飲ませると悪化するので要注意。