135.通導散


〔出典〕万病回春 巻之八 折傷

折傷者,多有瘀血凝滞也。宜用童便、黄酒各一鍾和而温服。最能散瘀、消滞效。
通導散
治跌撲傷損極重,大小便不通,乃瘀血不散、肚腹膨疔脹、上攻心腹、悶乱至死者。
先服此薬、打下死血瘀血、然後方可服補損薬。不可用酒飲、愈不通矣。亦量人虚実而用。

〔構成〕

大黄 芒硝 枳穀各二銭 厚朴 当帰 陳皮 木通 紅花 蘇木各一銭 甘草五分。
右剉一剤。水煎熱服。以利為度。唯孕婦、小児勿服。
当帰3、大黄(増減)3、芒硝1.7、枳実3、厚朴、陳皮、木通、紅花、蘇木、甘草各2.
大承気湯に当帰、甘草紅花を加えたものが加味承気湯であり、さらに蘇木、枳殻、陳皮、木通を加えたものが一貫堂の通導散。

〔効能〕

比較的体力があり、下腹部に圧痛があって便秘しがちなものの次の諸症
→月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打ち身(打撲)、
  高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)

後世方中で唯一の駆血剤で古方の桃核承気湯に比すべくもの
少陽の実、心下部の緊張、上衝強い(狂躁状態を起こすこともある)
打撲で内出血を起こし腫れと激痛がある、下腹膨満、便秘傾向
桃核承気湯証+腹部膨満、胸苦しさ、尿量減少
桃核承気湯よりも実している、瀉下効果も強い