消風散
〔出典〕外科正宗
〔構成〕
当帰、地黄、石膏各3、防風2、蒼朮、木通、牛蒡子各2、知母、胡麻各1.5、蝉退、苦参、荊芥、甘草各1.(湯)
●慢性湿疹(分泌物の多いもの)
春や夏の季節の変わり目に発生
慢性の比較的乾燥型の掻痒性の皮膚炎
慢性のホロセの小さい蕁麻疹
「風湿、血脈上浸し、瘡疥を致生し掻痒絶えざるを治す。及び、大人小児風熱疹身に遍く雲片斑点たちまち有りたちまち無きに効あり。」
類方に当帰飲子がある、これにも四物湯が入っている
多くは慢性期に移行、発疹なし、皮膚炎や皮膚が硬化し掻痒のため糜爛
春、夏の季節の変わり目の慢性で比較的乾燥性の掻痒性皮膚炎
慢性のほろせの小さい蕁麻疹
※鑑別点‥十味敗毒湯は湿性型
‥消風散は乾燥型
内熱がある--石膏必要
慢性のホロセの小さい蕁麻疹
類方に当帰飲子がある、これにも四物湯が入っている
頑固な皮膚病・湿疹・蕁麻疹・水虫・あせも・皮膚痒症・夏期に悪化する皮膚病等に応用。
〔目標〕頑固な湿疹で、分泌物が多く、痒みが強く、痂皮を形成し、地肌が赤味を帯び、外見が汚い、口渇を訴えるのを目標とする。
〔方解〕血熱をさまし、血燥を潤すのが主眼である。
すなわち当帰・地黄は血燥を潤し、苦参は血熱をさまし、瘡疥の痒を治す。
知母と石膏も血熱を清くし、渇を除き、牛芳子と蝉退はともに風熱を治し、
瘡毒を解すといわれている。
刑芥・防風もまた風をり、瘡疥を治すものである。
木通は血脈の渋滞を通利し、寒熟不通の気を利すといわれている。
〔鑑別〕
〇当帰飲子(痒・血虚、風熱、血燥) 赤み強くない
○白虎加人参湯(痒み赤味、乾燥性で煩渇)
○桃核承気湯(痒、血、鬱血性、実証、便秘)
○黄連解毒湯(痒・実熟、炎症、充血)