114.清上防風湯


〔出典〕 万病回春 五巻 面病門

面生瘡者,上焦火也。
清上防風湯。清上焦火,治頭面生瘡癤、風熱之毒。
(面病門に「面に瘡を生ずるは、上焦の火なり。上焦の火を清し、頭面に瘡癤、風熱の毒を生ずるを治す。)

〔勿語薬室方函口訣〕

風熱上焦のみに熾に頭面に瘡毒腫等の症あれども、
唯だ上焦計りのことにて、中下二焦の分、さまで壅滞することなければ、
下へ向ってすかす理はなき故、上焦を清解発散する手段にて、防風通聖散の如き硝黄滑石の類は
用ひぬ也。凡そ上部の瘡腫に下剤を用ることは用捨すべし。
東垣が身半以上天之気、身半以下地之気と云ことを唱へ、
上焦の分にあつまる邪は上焦の分にて発表清解する理を発明せしは面白き窮理なり。

〔構成〕

防風(一銭) 荆芥(五分) 連翹(八分) 梔子(五分) 黄連(五分) 黄芩(酒炒,七分) 
薄荷(五分) 川芎(七分) 白芷(八分) 桔梗(八分) 枳穀(五分) 甘草(二分)

上剉一剤,水煎,食後服。入竹瀝一小盅最效。
  (
荊芥、黄連、薄荷葉、枳実、甘草各1、山梔子、川弓、黄岑、連翹、白止、桔梗、防風各2.5. 湯)

〔方解〕

黄連黄芩山梔子は黄連解毒湯の方意、湿熱を解し充血・炎症を去る
防風荊芥連翹は、熱と毒を発散し、諸薬を表に働かせる
桔梗枳実は腫をほぐし消炎排膿の効がある
川芎白芷薄荷は気と血を順らせて表の毒を発散し諸薬を上部に作用させる効あり

〔効能・効果〕

ニキビ
(注意)
便秘がちな人は、発散力の強い薬なので一時的に悪化した様になることがあるので、大黄で下す必要がある

〔応用〕

1.ニキビ、吹き出物
2.頭部、面部にでた可能性腫れ物や湿疹
3.顔面充血、眼充血

体力中等度、腹壁は割合に力がある
消化器等は異常が無く、皮膚は浅黒く脂肪分泌の多い傾向あり(顔は脂ぎっている)。

青壮年齢に用いることが多い

首から上の皮膚疾患、顔がほてり、のぼせる、ニキビ、酒査鼻につかうことがもっとも多い

目充血、顔面の充血して火照るのぼせ
発疹は赤みを帯びて熱を持つ
ニキビも赤および黄褐色を呈す、先が尖って時に化膿している
普段は加苡仁でニキビには対処する効果大

少陽の虚実間、脈腹力中等度以上、乾湿中間の白苔

※荊防風敗毒散→清上防風湯→防風通聖散(熱甚だしく便秘)


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