8.黄耆建中湯
〔出典〕 金匱要略、血痺虚労病篇第六
・虚勞裏急.諸不足.黄耆建中湯主之.
〔構成〕
桂枝三両.甘草二両.大棗十二枚.芍藥六両.生薑三両.膠飴一升.黄耆一両半
於小建中湯内加黄耆一両半、餘依上法
気短胸滿者加生薑、腹滿者去棗加伏苓一両半、及療肺虚損不足補気加半夏三両
(桂皮3、大棗3、芍薬6、乾生姜1、甘草3、黄耆1.5、マルツエキス20(膠飴20。 湯)
(桂枝3.生姜3.大棗3.黄耆3.甘草1.芍薬6.膠飴13)
〔方意〕
・盗汗或は汗出ずること多く或は身重く或は不仁なる者(方機)
・小建中湯証にして盗汗或は自汗ある者を治す(方極)
〔病位〕太陰と少陰との間位、小建中湯証の疲労衰弱が加わった者で、太陰よりは少陰に近くて虚証。
〔脈侯〕細弱、細数
〔舌侯〕湿潤して無苔
〔腹侯〕多くは軟弱
〔応用の勘所〕小建中湯証に似て、盗汗、自汗、疲労衰弱、皮膚灰黄色、
倦怠の度強く、脱汗傾向にも拘わらず枯燥の気味、化膿傾向。
〔鑑別〕当帰建中湯、小建中湯、桂枝加黄耆湯など
〔応用〕
・自汗、盗汗して全身虚弱なもの。
・漏孔、痔瘻、潰瘍、中耳炎、蓄膿症、臍炎、カリエス、流注膿瘍などで、虚証で分泌物が薄く多量のもの
・風邪を引きやすく咳の止まらぬものを治した例があるに
・腹痛、腰痛に使用例がある
・小建中湯よりも表裏の虚の著しい者
・結核性腹膜炎で腹満腹痛するもの
・暑気にあたり手足だるく息切れ口渇するものなど
・諸種の貧血、大病後の衰弱
・肺結核の軽症or回復期で虚労を目標に+人参での使用例がある
・肺気腫で息切れするのに+人参半夏を使用例がある
小建中湯+黄耆
小建中湯証+自汗or盗汗
小建中湯証にて表裏とも虚状甚だしい、虚労、腹力軟弱で痛み強い
太陰より少陰に近い、気虚を改善する
皮膚灰黄色、脱汗傾向にかかわらず乾燥気味、化膿傾向
胃・十二指腸潰瘍、術後の付きの悪いもの