〔出典〕
【傷寒論】
・251.食穀欲嘔者.屬陽明也.呉茱萸湯主之.得湯反劇者.屬上焦也.《陽明病篇》
・319.少陰病.吐利.手足逆冷.煩躁欲死者.呉茱萸湯主之.《少陰病篇》
・389.乾嘔吐涎沫.頭痛者.呉茱萸湯主之.《厥陰病篇》
【金匱要略】《嘔吐暍下利病篇十七》
・嘔而胸滿者.茱萸湯主之.
・乾嘔吐涎沫.頭痛者.茱萸湯主之.
〔構成〕
呉茱萸一升.洗.人參三兩.生薑六兩.切.大棗十二枚.擘.
右四味.以水七升.煮取二升.去滓.温服七合.日三服.
(呉茱萸2.人參1.生薑3.大棗3.)
〔方意〕
・穀を食し嘔せんと欲する者(方意は気逆を以て主証となす)(方機)
・吐利(吐瀉なり)し、手足厥冷し、煩躁する者 (方機)
・乾嘔し、涎沫を吐し、頭痛する者(南呂)(方機)
・嘔して胸満する者(紫円)(方機)
・脚気上攻して嘔する者(紫円)若し水腫して嘔する者は此の湯の知る所にあらず(方機)
・胸満し、心下痞硬し、嘔する者を治す(方極)
・胸満し、心下痞硬して、嘔吐する者を治す(方極附言)
〔病位〕太陰の準位、時に厥陰状を現す、虚証
〔脈侯〕沈、沈弱、あるいは軟、あるいは小。脈沈微傾向
〔舌侯〕口舌やや湿潤
〔腹侯〕割合に軟、胃部多くは軟、胃部に振水音
〔応用の勘所〕
水飲の動揺上衝による嘔吐、頭痛、胸腹部膨満、煩躁、手足の冷え
〔鑑別〕
半夏瀉心湯、五苓散、茯苓飲(胃の冷えがない、悪心もない)、附子粳米湯、大柴胡湯、
小柴胡湯、四逆湯、小半夏加茯苓湯、橘皮湯など
※顔面紅潮時の違い
呉茱萸湯、 ~吐き気と頭痛(偏頭痛、頭頂の頭痛が多い)
苓桂味甘湯 ~酒に酔ったように赤くのぼせ、頭がボーッとする
通脈四逆湯 ~下痢激しく四肢厥冷し悪寒しない
三黄瀉心湯 ~便秘実熱
〔応用〕
・胃炎、胃下垂、胃拡張、幽門狭窄、胃酸過多症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、流行性黄疸、
悪阻、蛔虫症
・二日酔い等で嘔吐し、心下部が強くつかえ、あるいは痛み、概して貧血性のもの
・急性腸炎で、激しく下痢、嘔吐、あるいは頭痛し、冷えるもの
・胃酸過多症で、足冷え、胸焼けし、心下が苦しいもの
・胃液分泌過多症、蛔虫、小児のよだれ、生唾を吐く者などで、唾液や胃液が多量に口から出るもの
・吃逆し冷え性で、胸元がつかえ張るもの
・強烈な嘔吐頭痛、常習頭痛、片頭痛、薬物中毒、尿毒症、子癇、ひきつけ、虚脱、昏倒、
脳腫瘍、中枢神経疾患、あるいは胃病、あるいは婦人病などで頭痛激しく嘔吐、煩躁、
眩暈、食欲不振、冷や汗、心下苦悶、足冷え、あるいはのぼせがあるものなど
反復する頭痛・嘔吐(時に乾嘔)、肩こりを伴うことが多い、急性・慢性の偏頭痛
手足冷え(身体全体の冷えはない)、四肢厥冷、発熱は伴わない、発汗、のぼせ、赤ら顔
下痢、煩燥、眩暈、心下痞(硬)、胸部に膨満感、服力中等度以下
煩燥(心煩)、食欲欠損、胃機能麻痺状態(胃が冷える者)
胃虚寒の悪心、嘔吐、吃逆
「しゃっくり」
①橘皮枳実生姜湯 ②橘皮竹茹湯
③呉茱萸湯 ④甘草瀉心湯+陳皮
⑤柿蔕湯 ⑥丁香柿蔕湯