〔出典〕 和剤局方巻二 治傷寒
「調中順気、除風冷、化痰飲、治脾胃宿冷、腹脇腫痛、胸膈停痰、嘔逆悪心、或外感風寒、
内傷生冷、心腹痞悶、頭目昏痛、肩背拘急、肢体怠惰、寒熱往来、飲食不進、
及婦人血気不調、心腹撮痛、経候不匀、或閉不通、並宜服之」
〔勿語薬室方函口訣〕蘇沈良法(蘇東坡1036-1101)としている
・方函「治内外感寒、和一切気、通血絡。」
・軒岐救正論に気血飲食痰を五積と云ることあり。即此意にて名くと見ゆる故に風寒を駆散し発表するの
外に内を温して血を和するの意あれは風寒湿の気に感し表症もあり。内には従来の疝積ありて臍腹疼痛
する者尤効あり。先哲、此方を用る目的は、腰冷痛・腰腹攣急・上熱下寒・小腹痛の四症なり。
其他諸病に効あること宋以来俗人も知る薬にして亦軽蔑すへからす。
「中寒、寒邪に感冒し、頭疼、身痛、項強拘急、悪寒、嘔吐、腹痛するものを治す。
又内生冷に傷られ、胸膈脹満し、外風寒湿気に感じ、経絡に客して、腰脚酸疼し、
及婦人難産、経調わず、或は血滞通ぜざるを問うことなく、並び治す。」
〔構成〕 薬局製剤
茯苓2、陳皮2、白朮3、白芷1、甘草1、麻黄1、当帰2、厚朴1、川芎1、芍薬1、桔梗1、
半夏2、桂皮1、枳実1、生姜1.3。右十五味、去麻黄名和気飲。
多くの著書で白朮・蒼朮を両方入れてある。冷えの強いときには加附子として著効を見ることが多い。
附子の錠剤を併用するのが手軽。
枳実よりも枳穀の方が良い
〔効能・効果〕薬局製剤
慢性に経過し、症状の激しくない次の諸症:
胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え性、更年期障害
〔応用〕
(1) 急性慢性胃腸炎、胃痙攣、胃酸過多症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
(2) 腸神経痛、腰痛、坐骨神経痛、リウマチ
(3). 脚気、白帯下、月経痛、月経不順、冷え性、打撲傷、半身不随、心臓弁膜症、
ジフテリーの症、奔豚症など。
◎本方の腰痛は腰にベニヤ板が張り付いたようだと表現する人がいる(細野史朗)
「寒積・食積・気積・血積・痰積」の五毒(積)で起こる病を治す
→気を巡らし、血行を良くし、痰飲(水毒)を去り、冷えを温め、食物の停滞を巡らす
生冷の飲食物の摂取や寒冷の環境による悪寒、発熱、関節痛、頭痛、鼻水などの表証
悪心、嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛、腹や四肢の冷えなどの脾胃寒湿の証
冬の感冒、老人や冷え性の感冒に非常によく効く、腰冷痛=実際触ると冷たい人が多い
冷えと湿による各種の神経痛
舌苔は白厚で粘稠物質で覆われて顆粒消失、脈は浮弦or浮遅
腹力中等度以下、心下痞硬あるものもいる
顔貧血気味、臍傍の圧痛
構成は、色々な方意を持っている
平胃散‥飲食の停滞
二陳湯‥水毒
四物湯‥駆瘀血作用
桂枝湯‥血流を良くし内から温める
続命湯‥リウマチ様の疼痛
半夏厚朴湯‥神経を鎮静
苓姜朮甘湯‥下半身の寒冷を去る、肺中冷を温める
苓桂朮甘湯‥気逆、利水
当帰芍薬散‥駆瘀血と利水
津田玄仙は、『療治経験筆記』で腰冷痛、腰股攣急、上熱下寒、少腹痛が正面の証
⇒①腹が冷えて痛む、 ②腰から股にかけて筋がはる 、③上熱下冷 、④下腹が痛む
夏の吐瀉病は中寒のものが割合多い←─生冷物の多摂取からくる
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これの激しく来たものには藿香正気散が行く