五臓と食養生
五行色体表をもとにその臓器にあった食べ物を採ることは漢方治療をする上でとても大事です。
ここでは臓腑によいとされる食べ物をあげてみました。
食べ物でも平性、温性、凉性、平性とありますので体質似合った食べ方をしておかないと体は変調を来します。
五臓色体表には食べ物の基本が規定されていますので参考にしてください。
 


肝の食養
慢性肝炎、特にC型肝炎は現代医学でも漢方でも最も難治な疾患の一つです。
慢性肝炎と診断されると、西洋医学では、低カロリー、高蛋白の指導をしますが、実際に来局する方の多くは、このような食餌で肝炎にはあまり効果がないように感じます。
体質的にみると肝炎の時期には炎症を去る漢方薬が必要ですし、更に進んだ時期の肝硬変では肝を補い温め血を増やす薬が必要になります。
これにあわせて漢方的な食事をとることによって治療効果が上がっています。
また、肝臓と腎臓は片方だけが悪くなることは少なく、病気が永引けば肝の影響が腎に及んで両方共に弱くなります。これ相生関係といいます。
また肝の働きが弱まると、やがて脾の働きにも影響して弱まってきます(相剋関係)。
肝は血を蔵すといい血の固まりのような臓器であり、気というエネルギーを伸びやかに循環させる働きも弱まるために、身体の血と水の動きも悪くなりより複雑な病態となってきます。
最近の研究では、鉄分の取り過ぎは肝機能の低下を起こすことがわかっており、病院によっては瀉血両方といって血を抜く治療をしている所もあります。昔は鍼灸でも行われていましたが、現在では、血液感染の問題があるので現在では、医師しかできない治療となっています。
 

良いもの

酢のもの、少量の酸味(梅干し、リンゴ、ミカンなど)
ひじき、昆布、アオノリ
レンコン、ニンジン、カボチャ、トマト、
濃緑黄色野菜
カンピョウ、シイタケ、
大豆製品(湯葉、モヤシ、豆腐、高野豆腐、納豆など)
川魚、白身魚
玄穀類(フスマ、赤小豆、、胚芽米、玄米)
カキ、貝類、ナマコ、アワビ、シジミ

良くないもの
禁酒は肝臓病治療の最低条件(飲酒は火に油を足すようなものです)
白砂糖、
卵、動物性タンパク質の過食、青魚、
酒類、刺激の強い食品
酸性食品の過食、加工食品、スナック菓子
着色料、防腐剤、漂白剤、人工甘味料、農薬など 
消化の悪い食べ物、、濃厚な味付け



心の食養
 夏の暑い時期には心や体にに熱がこもり働きを悪くさせます。また心の華は顔といい、心熱がこもると顔が熱く赤くなってきます。また心の液としての汗が多量に出ます。熱い風呂に入って温もりすぎたときなどは、このような状態ですが、いくら水をがぶ飲みしても、火照りはなかなかおさまりませんね。
このような時に「苦い味」を飲み食いすると不思議と火照り感が引いてきます。
夏場にはゴーヤやニガウリ、キュウリなど食べると体がすっきりしますが、この熱を冷ますからだと言います。逆に冬場に苦い物を取り過ぎると体が冷え切ってしまいます。
食べ物の職制は十分に注意しないと体質そのものを壊してしまう結果となります。
十分に注意しましょう。
 苦味の食べ物のは、作用として、基本的に、寒・降の作用がある言われています。喘息を治し、咳を止め、女子の下りものを治す。体を乾かす作用もあります。熱を取るために黄連解毒湯を長く飲んでいると皮膚が乾燥してきます。
養心安神によい物 ⇒ 動悸を沈め、気持ちを和らげる作用のある食べ物
なつめ、もも、はすの実、百合の根、豚の心臓、鶏卵、くわい、レンコン、、金針菜、牡蛎、小麦
むくみを取る ⇒利水消腫
黒豆、あずき、えんどう豆、くわい、レタス、すいか、緑茶、緑豆
心臓病・卒中の予防に良い
もも、お酢、ニンニク、ネギ、胡麻、アユ、昆布、海藻、ゴボウ、はす、カニ



脾胃の食養

食べ方の基本

1口50回以上、よく噛んで食べる
1回の食事に最低30分はかける
腹八分目を原則とする・・・腹八分目は長寿の秘訣(養生訓)
(1).「陽証−−体力がある、胃腸が冷えていない」
よいもの
柔らかく煮た野菜、主食
まあよいもの
梅干し、白身魚の刺身(ワサビを除く)
豆腐、柔らかく煮た豆類、にんじん、かぼちゃ
良くないもの
甘味料の多食、極端に熱い・冷たい飲食品
消化の悪いもの(イカ、タコ、貝、ゴボウ、タケノコ、堅いもの)
脂肪の多い動物性食品(ウナギ、マス、サケ、青魚、卵、ラード、ヘット)
香辛料、刺激物(大根おろし、ネギ類)、焼いた動物性食品
炭酸飲料、酒類、コーヒー、紅茶、緑茶、タバコ

(2).「陰証−−体力がない、胃腸が冷えている」
良いもの
体温より熱い飲食物
主食 → くず湯、玄米粥、全粥、軟飯
副食 → 柔らかく煮た野菜(繊維が少ない物)、
    少量のショウガ、豆腐(温)
良くないもの
生野菜
体温より温度の低い飲食物(冷水、水類)
動物性、植物性の脂肪の多い食品
白砂糖及び砂糖を多く含んだ食品
多量の塩分
消化の良くない飲食物
   海草類、キノコ類、こんにゃく、もち、
   繊維の多い野菜(タケノコ、ゴボウ、水菜など)
   タコ、イカ、貝類、卵



肺の食養
◎肺は体の防衛を司っていると考えています。肺の気が弱まると風邪などの感染症にかかりやすくなってきます。
肺は粛降・宣発機能がその働きなので発散作用や水分の巡りが悪くなってきます。温煦作用(暖める作用)で下位にある水を霧のような状態にして上部へ運び、粛降作用により霧を雫(水)に変え下へと水道へと順らせていきます。
肺の宣発作用(蒸散作用)で水や痰を気化(溶かす、これを化痰作用という)させて蒸気として口や鼻から、皮膚からは汗として発散させて、余剰な水が水毒とならないように処理すると考えられています。
時には大腸へ運び下痢便として排出させることもあります。
肺は貯痰の源と言いまして水をためておく臓腑でこの働きによって粘膜などの潤いは、一定に保持されています。
ところが、ジャブジャブと、多すぎると咳や痰が出たり、喘息になったりもします。水毒として水が悪さしているのです。
肺にとって薬となる味は辛味です。ピリ辛のスパイス・香辛料はは肺の働きを助ける味ですが、少量摂ることで薬として作用します。
大量に摂り過ぎるとやはり良くないです。水を奪って肺や気道などの粘膜を乾燥させてしまう事にもなりかねないのです。
肺の失調に関する病は、呼吸器系疾患に多く見られます。
五行では肺の裏の腑は大腸なので、急激に冷えることで便秘したり下痢したりすることがありますが、このような時に大建中湯というショウガ湯の親戚のような漢方薬で速やかに改善することが時々あります。
肺は鼻に通ずるため肺の治療はアレルギー性鼻炎や花粉症の治療、慢性の湿疹にも応用しています。
風邪の引き初めの漢方治療は発汗を行い邪を退散させる治療をします。
葛根湯飲んだりするのはこのためです。必ず熱めにして汗をかきやすいように飲むことが大事です。
解表作用 ⇒かぜの初期に良い食べ物
桂皮(シナモン)、ねぎ、しょうが、シソの葉
去痰止咳作用 ⇒痰を切り、咳を止める作用のある食べ物
カラシナ、干し柿、赤貝、くらげ、シュンギク、大根、豆乳、ぎんなん、のり、ナシ
潤肺止咳 ⇒ 乾いた肺を潤し、咳を止める
氷砂糖、干し柿、あんず、、みかん、くるみ、麦芽糖、春菊、大根、ごま、蜂蜜、いちじく、
びわ、青梅、パパイヤ、なし、バナナ
滋補肺陰 ⇒慢性的な肺の消耗を補うたべもの
なまこ、牛乳、うなぎ、やまいも、白キクラゲ、ぎんなん、鶏肉、れんこん、ナシ
清肺平喘 ⇒肺の熱を冷まして咳を止める 
氷砂糖、干し柿、パイナップル、豆乳、くらげ、いちじく、豆腐、生柿、白菜、鶏肉、
クレソン、冬瓜、夏みかん、ごぼう、メロン、バナナ、のり、ナシ



腎の食養
腎臓病の食養の基本は「減塩」と「水分を減らす」です
@塩からいものをさけ、水分を採りすぎないこと
A蛋白質だけに偏らない
B風邪を引かないよう心がけ

C腰部の適度な運動をし、足腰を強くする

     漢方では足腰が衰えると腎も衰えると考えるからです
D腎によい食品をつとめて食べること。
良いもの
赤小豆
スイカ−−出来ればスイカ糖がよい
くり、長芋、にら、黒大豆、クルミ
スズメ、なまこ、ホタテ貝、スッポン、羊乳、コイ、スッポン
レンコン、ニンジン、キュウリ、ゴボウ、パセリ、ホウレンソウ、ジャガイモ
ヤマイモ
禁忌=悪いもの
ニンニク、ウド、湯葉、コショウ、カラシ、ワサビ、カレー粉、ショウガ