2.運動器官-「ヘルニア2」-自己治験つづき 3
 -難病フォーラムで発表した症例。
 

甘草附子湯で落ち着いた痛みであったが。その3年後だったと思う。

2月のとある極寒い日にまた、腰が痛み出した。
腰がピリピリと痛むのである。動くのもつらい。

楽勝と思い、甘草附子湯を飲んでも殆ど効かない。
寒さが強いためかと思い炮附子を漸増して飲んでも手応えがない。

はたまた困ったもんだ。また処方選定に悩みます。

色々傷寒論読んだところ、強い冷えによる実寒の病と考えて、

ある処方に行き着いた。
処方に含まれている生薬は店にはないので、問屋に注文した。
来るまでのなんと長く感じたことか。
翌日に入荷。

初めて使う生薬、烏豆である。これは自分専用である。
薬局で取り扱う処方には烏豆の入った物はありません。

処方は烏頭湯。
烏頭湯は蜂蜜と一緒に煎じる処方です。ハチミツは20g。
烏豆は毒性が強いのでは0.5gから始めました

烏豆と水と蜂蜜で約50分煎じます。
煎じ上がったところで残りの生薬を加えて40分煎じます。
煎じ上がったらゆっくりと飲みます。

1週間続けたところ、痛みがなくなりました。

煎じるのが面倒なので、自分用に烏豆以外の粉末を作っておいてます。
腰や足先がピリピリ痛んだり違和感が出たときに、
この粉末1回分に、作った烏豆末を加えて、蜂蜜を溶かしたお湯で飲むことにしています。

現在、これで10年以上は強い腰痛とはおさらばしています。
試しに烏豆の代わりに加工附子を飲んでみましたが
私の痛みには効果が全くなかったのでした。
鎮痛には烏豆が必要な物と思われます。

烏豆は、毒性がめちゃくちゃ強いので薬局では売る事はできません。
処方箋調剤なら可能ではありますが・・・。
あくまでも自分専用の特効薬として痛むときに頓用しています。

蜂蜜の効能は
烏豆の毒性を和らげるとか、蜂蜜を加えることで薬の作用時間が持続するなど幾つかの説があります。