役に立つ身近な冬の薬草10
12月も下旬になり、クリスマス、正月の気配が感じられるようになりましたね。寒さも厳しくなってきましたね。
冬の薬草では風邪や咳など健康に役立つ薬草生薬を選んでみました。
花の写真は現在の季節と関係ないことを記しておきます。
薬草写真 | 名称 | 用い方と特徴 | |
クズ 生薬「葛根」 ←クズの花 |
クズは薬と言うよりも食品としての方が有名かもしれませんね。風邪の引き初めのくず湯ですね。特に効果的な飲み方は風邪を引いたかなと感じたその時に飲めば良く効きます。作り方は、スーパー等で売られているクズ粉を大さじ2杯、固まりはつぶして下さい。次にすり下ろしたショウガ小さじ1杯。味付けに砂糖や蜂蜜、これは好みで加減。まずマグカップなどにクズ粉を入れ少量の水を加え溶かします。次にショウガと砂糖を入れかき混ぜます。最後に熱湯を一気に加え、良く攪拌し少しとろみがつけば出来上がり。ふーふー良いながら飲んで下さい。咳があるときにはキンカンの砂糖漬けを刻んで入れると咽がすーっとします。その他にクズは母乳ので難い方が常用すると乳が出やすくなると言います。葛根湯を乳出しに使うこともあります。市販の葛根湯を飲むときには熱いお湯に溶かして飲むと効果が倍増します。 | ||
キンカン 生薬「金橘」 ←キンカンの花 |
キンカンは生薬を金橘と言います。薬用には黒くしなびた生薬よりも生の実を使う方が良く効きます。咳や咽の痛みに1日10〜15個を水400mlで砂糖や蜂蜜を加えて半量まで煎じて3回に分けて飲みます。又砂糖漬けにして保存しておき必要時に食べたりお湯に溶かして飲んだりします。また薬用酒にしておけば疲労回復剤にもなります。そのまま生のみを食べても美味しいですね。 | ||
カリン 生薬「木瓜」 |
咳止め=カリンと言うくらい知名度が高いのがカリンです。漢方薬では木瓜と言い乾燥させた実を使います。咳が出るときに煎じて飲んでも良いし、カリン酒を蜂蜜とお湯で割って飲んだり、カリンの蜂蜜漬けをなめたりします。特に咽がいがらっぽいときには蜂蜜漬けが良く効きます。 カリンと同じ様な植物のマルメロというものがカリンと称して100円市場で売られていることがありますが、カリンは西洋なしの形でマルメロは楕円形をしていて区別が付きます。のどアメにカリンは良く使われていますね。 |
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ナンテン 生薬「南天実」 |
昔からナンテンは咳止めとして使われてきました。漢薬店では白南天実を売っていますが、効能は赤南天も全く同様に使われます。私が考えるには、漢方では陰陽五行説という簡単ですが奥の深い(理解するのには相当の年数の勉強を要しますよ)理論があります。これによると咳は肺に属しており、この肺の一群の支配する色が「白」なのです。よって赤実でなく白実を使ったのでしょうね。さて南天の効果は確実です。成分にはドメスチンという非アルカロイドの鎮咳成分を有しております。煎じるときに砂糖などを加えてシロップ状に作るとさらなる効果が期待できます。 また、漢方では目を明らかにするといわれており、目の病気にも使われています。 南天のど飴は良く効きますので、私は愛用しています。 |
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