トウゴマ花  生薬「菎麻子(ひまし)」


【基原植物】  トウゴマ Ricinus communis
【 生薬名 】  菎麻子 RISINI SEMEN
【 科 名 】 トウダイグサ科Euphorbiaceae
【 別 名 】 唐胡麻、ヒマ、西洋胡麻、リチネ
【薬用部位】 種子
【 主成分 】 リシン、リシニン、ともに有毒成分、取り扱いには十分注意する
脂肪油(ヒマシ油~リシノール酸、オレイン酸、ステアリン酸)、毒性タンパク質(リシン)、毒性アルカロイド(リシニン)、フラベノイド配糖体(ルチン)
 【薬理作用】 瀉下作用は十二指腸内で脂肪分解酵素の作用により産生したリシノール酸ナトリウムが小腸を刺激して蠕動運動が増強されることによる。リシン・リシニンは過熱により分解する。
【 薬 性 】 気味‥甘辛平  帰経は不明  有毒
【 効 能 】 ●各種のむくみの妙薬として昔から使われ、実際に効果がある
→肝硬変やガンの末期の腹水、肋膜に水がたまったとき、リウマチや関節炎で膝が腫れて水が引かないとき等に用いて良い場合がある
●トウゴマの実5~6個を殻を去りすりつぶして湧泉(土踏まずのツボ)に貼り、乾くと貼り替える、1週間は続けないと効果がない
●新鮮なもの程効果があるというので、その都度すりつぶすこと
●ヒガンバナの球根を同量混ぜると更に効果的
●ヒマシ油の原料、峻下剤、便秘、食中毒による急性胃腸炎に1日1回を限度に10~20mlを頓用、そのままでは吐き気を催すのでシロップやジュースなどとともに一気に飲むのがコツ、飲むヒマシ油は薬局で売られている精製されたヒマシ油を内服すること
【 備 考 】 ●「世界五大猛毒」と呼ばれるリシンは0.03mg、リシニンは0.16gが成人の致死量。小児では生の菎麻子5~6粒で死に至る
●主な中毒症状は「頭痛、胃腸炎、体温上昇、白血球増加、黄疸、心臓血管虚脱など」である
●自分で造ったヒマシ油を飲むと死亡することさえある
●肋膜炎、生理中、妊娠時には服用してはならない
●ヒマシ油は3才未満の者にも与えてはならない
●素人の利用は外用にとどめておく方が安全