チガヤ チガヤ根茎 生薬「茅根」 


【基原植物】 チガヤ Imperata cylindrica var. koenigii
【 生薬名 】 茅根 IMPERATAE RHIZOMA
【 科 名 】 イネ科Gramineae
【 別 名 】 ●花をツバナ(若くて葉鞘に包まれた花穂をなめると甘い)、中国では一般に白茅根と称する
●細根およびりん片葉を除いた根茎。※問屋から来る茅根は茎を刻んだものに見える、信用していいのか?─→信用して良いとの事(栃本)、11月頃根茎を掘り取り水洗し髭根を除き、乾燥させる
【薬用部位】 根茎
【 主成分 】 トリテルペノイド(シリンドリン、アルンドイン)、糖類(蔗糖が主、ブドウ糖など)、有機酸、K塩
 【薬理作用】 家兎に対して水浸液を与えたら明らかな利尿効果があった(K塩と推測される)、臨床でも急性腎小球腎炎や急性血管球腎炎に対して顕著な利尿消炎作用があり治療効果は良好であった。 
【 薬 性 】 気味は甘寒、帰経は肺胃に属す
 【効  能】 清熱生津・凉血止血(茅根は清熱・滋陰の薬物で、凉血・止血の効もある)
【 効 能 】 ●清熱、利尿、消炎、止血薬として、腎炎・水腫・血尿のほか、脚気・黄疸・膀胱炎に用いる
●腎炎・水腫・膀胱炎・黄疸・妊娠時の浮腫には1日10~20gを水400mlで煎じ分3服用する
●若い花穂には止血作用があり出血時間凝固時間を短縮する、1日5~15gを水400mlで煎じて分3服用する
●若い花穂には止血作用があり出血時間凝固時間を短縮する
1日5~15gを水400mlで煎じて分3服用する
●鼻血、血尿、喀血の止血によい(熱証であることが重要)
単独では効果が弱いので生地黄、山梔子炭、藕節(蓮根の節)などと併用すると良い
●茅根は虚弱者に良く、他の利尿薬よりも効果が大きい
●風邪・喘息・生理不順・二日酔いにも用いる
●子供の咳、疳には花穂を1日5~15gを煎服する
 【出  典】  茅根.一名蕑(かん)根.一名茄根.味甘寒.生山谷.治勞傷虚羸.補中益氣.除瘀血血閉寒熱.利小便.其苗.下水.(神農本草経中品)
 【処 方 例】
【 備 考 】 ●万葉集に「戯奴がため我が手もすまに春野のに抜ける茅花そ召して肥えませ(紀郎女が大伴家持に贈った歌、訳:あなたのために春野のでせっせと抜いたツバナですよ。食べて肥ってください。)」とツバナを食べる風習が昔からあったことが分かります