タンジン花  生薬「丹参」


【基原植物】  タンジンSalvia miltiorrhiza
【 生薬名 】  丹参SALVIAE MILTIORRHIZAE RADIX
【 科 名 】 シソ科Labiatae
【 別 名 】 赤参『名医別録』、出典「神農本草経上品」
【薬用部位】
【 主成分 】 ジテルペン(タンシノンA、B、C)、トリテルペン類、フラボン類、リグナン類、フェノール類
【薬理作用】 アルコールや水の抽出液には鎮痛、抗炎症、利尿、抗菌、抗ウイルス、血管拡張、抗高血圧、血小板凝集抑制、免疫抑制、抗変異原性、抗腫瘍、抗酸化作用などが確認されている。
【 薬 性 】 気味‥苦微寒、無毒、帰経‥心肝二経
 【 功 效 】 益気寧心、活血祛瘀、調経止痛、排膿生肌
【 主 治 】 月経不順、経痛、子宮出血、癥瘕積聚、産後悪露不下、腹痛疝痛、心煩内熱、風痺、関節痛、癰腫瘡毒
古来よりの薬能は活血、祛瘀、養血、安神、消腫、止痛
●近年、薬理学的研究で冠状動脈の拡張、血流量の増加、鎮静、抗菌作用などが証明されている
●臨床では、冠状動脈性狭心症、脳血管障害、月経困難症などの各種婦人疾患、肝障害、慢性腎炎などの治療に応用されている
【 効 能 】 ●中医学上の効能は活血去瘀薬、凉血消腫薬、清心除煩の安心薬
●アルコールや水の抽出液には鎮痛、抗炎症、利尿、抗菌、抗ウイルス、血管拡張、抗高血圧、血小板凝集抑制、免疫抑制、抗変異原性、抗腫瘍、抗酸化作用などが確認されている。
●アルコールや水の抽出液には鎮痛、抗炎症、利尿、抗菌、抗ウイルス、血管拡張、抗高血圧、血小板凝集抑制、免疫抑制、抗変異原性、抗腫瘍、抗酸化作用などが確認されている。
●高血圧、鎮静、精神安定、鎮痛の作用が臨床で応用されている
●心筋梗塞や狭心症などの心臓病、肝炎や肝硬変の初期などにも応用されている
●丹参製剤として生薬製剤2号方があります
1日3~5g、中国では5~20g)
 【 備 考 】 薬用サルビアには二つありその一つはタンジンSalvia miltiorrhizaである。またヨーロッパ原産の薬用サルビアはスパイスのセージSalvia officinalisで胃腸病に用いられており用途がいささか異なっている。
【出  典】  ●心腹の邪気、水が走るような腸鳴、寒熱による積聚を治し、癥瘕を破り癥瘕を除く。煩満を止め、気に益す(神農本草経)
●「名医別命」には別名を「赤参」としており,これらはすべて根の色が紅いから名付けられたものである。李時珍は「五参はその五色がそれぞれ五臓に配するものだ人参は脾に入るから黄参といい,沙参は肺に入るから白参といい,玄参は腎に入るから黒参といい,牡蒙は肝に入るから紫参といい,丹参は心に入るから赤参という。苦参は右腎,命門の薬である。古人が紫参を捨て苦参のみを称用したのは,その意義に達しなかったからである」と五行説を述べている。陶弘景および蘇頌の植物形態の記事は明らかにシソ科(Labiatae)Salvia sp.を想起さすものである。  
【処 方 例】 冠心二号方、生薬製剤二号方