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シュロの花 生薬「棕櫚葉」と「棕櫚実」


【基原植物】 シュロ  Trachycarpus fortunei
トウシュロ Trachycarpus wagnerianus
【 生薬名 】 棕櫚葉TRACHYCARPI FOLIUM ET PETIOLUS
棕櫚実、棕櫚皮
【 科 名 】 ヤシ科Palmae
【 別 名 】 栟櫚木皮(本草拾遺・唐)
【薬用部位】 葉、種子、皮
【 主成分 】 タンニン
【 薬 性 】 気味‥苦渋平、帰経‥肺肝大腸 棕櫚葉
【 効 能 】 ●高血圧、脳出血などの予防治療、長く飲む程良い
 種子は1日8~15gを煎服、
 軽く焙じた葉をお茶代わりに飲んだり
 若い花穂を乾燥して3~5gを煎服しても同様の効果がある
●止血、利尿薬として吐血、衄血、血崩、血淋、浮腫、脳出血等に応用する
●皮を黒焼きにすれば止血剤として吐血や鼻血などに用いる
●葉柄基部の棕皮の黒焼きを中国では陳棕炭と呼び収斂止血薬とし不正性器出血に用いる、古いもの程良い、陳は古いという意味
 【 備 考 】 ●棕櫚葉の利用は日本独自のもの
【出  典】 ●椶皮(しゅひ)を黒く焼き、婦人の血露や吐血を治し他薬を佐として用いる(寇宗奭(こうそうせき))
●椶灰は性渋る、失血が多く去って瘀滞が已に尽きたものの場合にこれを用いるは適切な方法であって、所謂渋は脱を去るというが、全くその通りである。乱髪と共に用いると更に良い。年久しき敗椶を薬に入れるが最も妙である(李時珍)
【処 方 例】 強神湯(白強蚕3、棕櫚葉2、紅花1.5、甘草1)は、脳出血後の口眼喎斜、半身不随、流涎などに用いる(本朝経験、播州龍野の中風薬)