キバナオウギ花 黄耆/片製 黄耆/片製 


【基原植物】 キバナオウギAstragalus membranaceus
ナイモウオウギA.mongholicus
【 生薬名 】  黄耆 ASTRAGALI RADIX
【 科 名 】 マメ科Leguminosae
【 別 名 】 綿黄耆(めんおうぎ)、小黄耆(しょうおうぎ)
【薬用部位】
【 成 分 】 ステロールのβジトステロール、スチグマステロール、トリテルペンのβアミリン、フラボノイドのジハイドロオキシン、ジメトオキソフラボン、コリン、ベタイン、糖質
【薬理作用】  
【 薬 性 】 性味‥甘温無毒   帰経‥入脾肺二経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 補気固表、止汗利尿、生肌止痛、排膿托膿、強心強壮、制糖降圧  (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 自汗盗汗、虚弱貧血、栄養不良、脾虚泄瀉、気虚下陥、癰疽腫毒、水腫血痺、小便不利、糖尿病、一切原気不足之症   (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●固表止汗、利水利尿作用、強壮作用
●強壮、止汗、強心、利尿、血圧降下、止血に3~6gを煎服
●漢方では強壮的に使い、又皮膚の抵抗力をつけるとされます
桂枝加黄耆湯や黄耆建中湯は小児の体質改善薬として使います
●免疫賦活、抗腫瘍、肝庇護、降圧、抗炎症、抗アレルギーなどの作用も認められています
●補中益気湯や十全大補湯などは強壮剤としてよく使われます。
●帰耆建中湯には気血を補い肌を生かし托裏排毒の薬として使います
●黄耆は中国人が人参以上に愛する補益薬です、昨年訪れた韓国では夏場の暑気あたりや発汗異常にハンギーと呼び市場で山積みにして売られていました。薬局の薬剤師に尋ねると1日当たり60gを水600mlで煎じて飲むそうです。
【 備 考 】 黄耆には4種類あって綿黄耆、紅耆(晋耆)、土黄耆(木耆)、和黄耆などと称され、みな基原植物が違っています。
(1)綿黄耆は現在、黄耆の正品とされているもので、マメ科のキバナオウギ又はナイモウオウギの根とされています。
(2)紅耆はマメ科のHedysarum polybotrys Hand.-Mazz.の根、
(3)土黄耆はムラサキウマゴヤシ、シナガワハギ、コゴメハギなどの根で、これらはすべて黄耆の代用品とされています。
(4)和黄耆はわが国に野生するイワオウギの根で、かつてわが国で黄耆が品薄の時に代用されました。
【出  典】 ●味甘微温。主癰疽久敗瘡排膿止痛大風癩疾 五痔鼠瘻補虚小児百病(神農本草経上品)
●主治肌表之水也。故能治黄汗。盗汗。皮水。又旁治身 体腫。或不仁者。(薬徴)
【処 方 例】 黄耆建中湯、加味帰脾湯、帰脾湯、七物降下湯、十全大補湯、清暑益気湯、清心蓮子飲、大防風湯、当帰湯、当帰飲子、人参養栄湯、半夏白朮天麻湯、防已黄耆湯、補中益気湯