ニワトコ | 「接骨木」 日本薬学会HPより借用 |
【基原植物】 | ニワトコSambucus sieboldiana | |
【 生薬名 】 | 接骨木SAMBUCI LIGNUM | |
【 科 名 】 | スイカズラ科Caprifoliaceae | |
【 別 名 】 | ||
【薬用部位】 | 茎(接骨木)、花(接骨木花) | |
【 成分 】 | 硝酸カリウム、トリテルペン、タンニン | |
【薬理作用】 | ニワトコの茎の水抽出エキスを、家兎に対し経口、マウスに対し経口および皮下注射により投与すると、著明な利尿作用を示す。この水えきすはアルコールその他の有機溶媒には殆ど不容であるから、有効成分は無機塩類が種であろうとされている。接骨木の煎剤を生薬換算量20g/㎏の割合でラットに内服させると、著しい鎮痛作用が認められ、その作用はモルヒネより劣るが、スルピリンに勝る。 | |
【 薬 性 】 | 気味は甘苦平、帰経は不詳 | |
【 効 能 】 | ●接骨木は風湿を去り、経絡を通じる効があり、風湿疼痛、関節不利の症に用いられ、また、活血、止痛の作用があるので、跌打損傷、瘀阻疼痛の症にも用いられる。その他、利尿作用が強く、急慢性腎炎、水腫、小便不利にも応用され、浴湯料として風疹瘙痒に、粉末として創傷出血に外用する。 | |
●鎮痛、消炎、止血、利尿薬として、打ち身、骨折、筋肉の痙攣拘急、水腫、腎炎、関節リウマチ、痛風、咽喉痛などの諸痛、諸出血、痰飲、産後の瘀血、等に応用される。 | ||
●一般的に、民間的に単味で用いる。 | ||
●骨折、打ち身、捻挫に枝葉を濃く煎じた汁で湿布、 又は枝葉の粉末を水か湯で練ったものを布に広げて湿布(同量の黄柏末を混ぜると更に効果的)、乾いたら貼り替える |
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●リウマチ、神経痛には、枝葉300gを木綿の袋に入れ鍋で煮出して沸騰したら風呂に入れて入浴する | ||
●むくみ、利尿には枝葉を煎じて服用する、1日10g | ||
●風邪の発汗、解熱には花を1日5~10gを煎服する、 ヨーロッパでは古くから風邪によいことが知られていた |
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●新芽は緩下剤とする | ||
●昔の骨接医はニワトコの枝の黒焼きをパスタ状にねり患部に厚く塗り、添え木を当てる治療をした。折れた骨を接ぐという意味で生薬、接骨木の名が出来た。また小鳥の病気に枝葉を煎じて飲ませたり、止まり木にその枝を用いたりと関係が深い。 | ||
【 備 考 】 | 本来、筋骨の損傷や瘙痒の治療に用いられていたが、『千金翼方』に「打傷瘀血、及び産婦の悪血、一切の血の行らぬもの、或いは止まぬもの、いずれにも煮汁を服す」とあり、陳蔵器は「根皮は痰飲に主効があり、水腫及び痰瘧を下す。煮汁を服す。利下し、吐出するものである」といい、以来、瘀血証や、諸出血に消炎、止血薬としても用いるようになり、また、利尿薬として煎服されるようになった。 | |
【処 方 例】 | 折傷筋骨方(接骨木、乳香、芍薬、当帰、川芎、自然銅:衛生易簡方) |