ネズミモチ花 ネズミモチ実  生薬「女貞子」 


【生薬名】 女貞子LIGUSTRI FRUCTUS
【基原植物】 トウネズミモチ Ligstrum lucidum
ネズミモチ Ligustrum japonicum(和女貞子)
【 科 名 】 モクセイ科 Oleaceae
【 別 名 】 女貞、冬青子
【薬用部位】 成熟果実
【 成 分 】 果皮にオレアノール酸、ウルソール酸、α-マンニット、種子にβ-シトステロ-ル、lupeol、nonacosanol、脂肪油。
【 薬 性 】 性味‥甘苦平無毒、帰経‥入肝腎二経   (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 強肝腎、健腰膝、烏鬚明目、鎮静鎮痛、消炎解熱   (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 肝腎陰虚、頭暈目昏、腰膝痠軟、鬚髪早白、煩躁失眠、遺精便秘、頸淋巴腺結核、肺結核潮熱    (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●強心、利尿、緩下、強壮、強精薬として用いられてきた。特に内臓の諸臓器を丈夫にするとして肝臓、腎臓、腰膝を強くし、精力を養い、若白髪などに効果があるとされる
●強壮強精薬として1日5~10gを煎服する、薬酒を1日3回1回20ml飲んでもよい。『女貞子酒』:女貞子200g、グラニュー糖200gg、ホワイトリカー1.8L、6ヶ月熟成
●肝腎陰虚の視力減退やかすみ目に中国では頻用される
●果実は民間で一般に白髪の薬として有名
●肝臓の陰分を益する清心薬で、陰虚、労熱、肝腎の精氣不足に適応する
◆葉の抽出エキスには経口投与で、ラットの胃液分泌・ペプシン排出量を増加させ抗潰瘍作用がある
◆葉には下熱、鎮痛の作用がある、また、諸瘡に外用しても有効である
【 備 考 】 ●ネズミモチはトウネズミモチの代用であり、実や葉はやや小ぶりであるが、同様に利用して差し支えない。
●晩秋、黒く成熟した果実を採取し、水洗後、陽乾する
【出  典】 女貞實ジョテイジツ.味苦平.生川谷.補中安五藏.養精神.除百疾.久服肥健輕身不老.(神農本草経上品)
【処 方 例】 二至丸(簡便方:女貞子、桑椹子、旱蓮草、蜜丸にする、虚熱、心煩、頭昏、耳鳴によい)