ミロバラン/コタロー図借用  生薬「訶子」


【基原植物】  Terminalia chebula 和名なし、ミロバランとよんでいる
【 生薬名 】  訶子CHEBULAE FRUCTUS
【 科 名 】 シクンシ科Combretaceae
【 別 名 】 訶梨勒
【薬用部位】 果実
【 成 分 】 タンニン
【 薬 性 】 性味‥苦酸渋温無毒、帰経‥入肺大腸二経   (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 斂肺降気・鎮咳去痰・濇腸止瀉   (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 久咳喘息・失音・慢性喉頭炎・喉頭結核・久痢久瀉・脱肛・腸出血・痔瘻出血・婦女子宮出血・慢性子宮炎・赤白帯下   (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●訶子の苦は気を泄し痰を消す、酸は肺を斂め火を消す、渋は脱するを収め瀉を止める、温は胃を開き中を調える、以上の作用がある。それ故、久瀉、久痢を治したり、気滞腹脹を治すのに用いる。
●収斂作用により斂肺利咽、渋腸止瀉、即ち肺と腸への効がある
●一般に慢性下痢、下血、痔、子宮出血、帯下、咽頭炎などに使う
●胃全摘出後の慢性下痢に漢方処方に加味剤として使う
●肺癌には麦門冬、大腸癌には白花蛇舌草、咽喉癌には山豆根等と組み合わせて用いると良いようである
●1日2~4gを煎服する、量により便秘傾向になることがある
【 備 考 】 訶梨勒はサンスクリット語で
【出  典】 (新修本草)
【処 方 例】 ●日本で訶子は響声破笛丸(声がれ)などに使う程度で使用頻度は少ない、また単独での使用経験は少ない
●ガンの「WTTC」療法はとくに胃ガンに使われた、昭和三十年代発表
処方:「藤の瘤10g、菱の実5g、訶子5g、意苡仁10g」
の4種を混ぜ水600mlで半量まで煎じて、1日3回、食間に服用