マムシグサ  マムシグサ実 生薬/天南星


【基原植物】  マムシグサArisaema japonicum
(基原植物は多種のArisaema属で一定しない)
【 生薬名 】  天南星(てんなんしょう)ARISAEMATIS RHIZOMA
【 科 名 】 サトイモ科Araceae
【 別 名 】 南星、虎掌。ヘビノタイマツ。
【薬用部位】 球茎
【 主成分 】 サポニン、蓚酸カルシウム
【薬理作用】 天南星の煎剤を家兎に腹腔内注射1.2g/1kgすると、電気刺激による痙攣閾値が高くなり、烏頭煎液0.3g/1kgと同様の結果を得た。このものには顕著な鎮静作用が認められる。また去痰作用も認められる。
 【 薬 性 】 性味‥苦辛温有毒、帰経:入肝脾肺三経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 袪風鎮痙・燥湿化痰・鎮痛緩和・消腫散結   (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 中風痰壅・半身不遂・口眼喎斜・癲癇・手足抽搐・肩背疼痛・肢体麻木・破傷風・口噤強直・小兒驚風
:外治癰瘍腫毒・金瘡・折傷瘀血   (常用薬剤選輯)
【 効 能 】   ●生は毒性があるので絶対に口にしないこと、外用のみに使う
●生の球茎をすり下ろして布に塗り、肩こり、リウマチ、神経痛、胸痛、はれものには患部に張り付ける
●腰痛には、真っ赤に熟した実を1日5、6粒(乾燥させたものは4、5粒)飲むと全身が暖まる、薬効が相当強いので常用しない、痛みが和らいだら飲むのを止める、長野県地方の民間療法
●鎮静、鎮痙、去痰の効能があり、乾燥したものを1日1~3gを煎服する
●同族のムサシアブミやウラシマソウも薬用とされる
●子宮頸癌、食道癌に使うことがあるという
鎮痙、去痰、除湿薬として、中風、半身不遂、口噤強直、口眼喎斜・小兒の掠癇の痙攣、祛痰などに応用する。
●民間では粉末を瘡傷に外用して鎮痛、消腫の効があるとしている。
【 備 考 】 ●全体に紫色の斑点があり、これをマムシにみたててマムシグサと呼ばれている
【出  典】 虎掌コショウ.味苦温.生山谷.治心痛.寒熱結氣.積聚伏梁.傷筋痿拘緩.利水道.(神農本草経下品)
【処 方 例】 三生飲、青州白丸子