クズ花 | 生薬「葛根」 | 市販のクズ粉 |
【基原植物】 | クズPueraria lobata | |
【 生薬名 】 | 葛根 PUERARIAE RADIX 葛花 PUERARIAE FLOS |
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【 科 名 】 | マメ科Leguminosae | |
【 別 名 】 | 板葛根、角葛根、粉葛根。刈根、粉乾葛、乾葛。 | |
【薬用部位】 | 根 | |
【 主成分 】 | でんぷん10~14%、イソフラボン誘導体(daizein、daidzein、puerarin、)ゲニスティン | |
【薬理作用】 | 葛根の水浸液は、温刺ウサギに対して解熱作用を示す。また葛根には鎮痙作用があり、これはdaizeinの量に比例し、ほかの数種のイソフラボンにはこの作用はない。この鎮痙作用はpapaverine類似の作用である。近年、葛根から構造未詳のアセチルコリン様物質が確認され、同時に葛根生成抽出物に副交感神経末梢刺激作用と消化器官賦活作用のあることが見いだされた。 | |
【 薬 性 】 | 気味‥甘辛平無毒、帰経‥入脾胃二経 | |
【 功 效 】 (常用薬剤選輯) |
葛根 ‥発汗解熱、生津止渇、鎮痙緩和、透疹、止瀉。 葛花 ‥解酒毒、化湿熱、止泄瀉。 |
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【 主 治 】 (常用薬剤選輯) |
葛根‥熱性病発熱頭痛、項背強硬、煩渇嘔吐、泄瀉痢疾、斑疹不透。 葛花‥慢性鬚酒精中毒、醉酒、煩渇、頭痛、嘔吐、腸炎、便血。。 |
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【 効 能 】 | ●発汗、解熱、鎮痙薬として、熱性病、感冒、項脊強急などに応用する。 | |
●鎮痛、鎮痙、催乳、頭痛、発汗に1日8gを煎服 | ||
●葛根湯やクズ湯は風邪のの引きはじめによく効く | ||
●肩や首の凝りと痛み、大腸カタル、ハシカ、神経痛など | ||
●二日酔いに花を干したもの1回3~5g煎服するか、粉末を白湯で飲む、 | ||
●解熱・透疹・滋潤筋脈などの薬能を有す | ||
●解熱、鎮痙、降圧、脳や心臓の冠血流量増加、消化管運動亢進、排便促進、血糖降下などの作用が認められている | ||
●うなじや背中のこわばり、呼吸困難があって息苦しく発汗する場合にも用いる | ||
【 備 考 】 | ●花は天ぷらとして食べるとおいしい | |
●昔よりクズは食品としても親しまれてきた | ||
葛餅は発酵食品 | ||
【出 典】 | 葛根カッコン.一名雞齊根.味甘平.生川谷.治消渇.身大熱.嘔吐諸痺.起陰氣.解諸毒.葛穀治下利十歳已上. (神農本草経中品) | |
葛根、辛甘性平、輕揚升發。入陽明經、能鼓胃氣上行、生津止渴。兼入脾經、開腠發汗、解肌退熱、為治脾胃虛弱泄瀉之聖、 療傷寒中風、陽明頭痛、血痢溫瘧、腸風痘疹。又能起陰氣、散火鬱、解酒毒、利二便、殺百藥毒。 多用反傷胃氣。「生葛汁」大寒,解病大熱,吐衄諸血。(本草備要) | ||
【処 方 例】 | 葛根湯、葛根黄連黄芩湯、桂枝加葛根湯、葛根紅花湯 |