クコの実と葉 | 枸杞子 | 地骨皮 |
【基原植物】 | クコLycium chinense | |
【生薬名】 | 枸杞子 LYCII FRUCTUS 枸杞葉 LYCII HERBA 地骨皮 LYCII CORTEX |
|
【 科 名 】 | ナス科Solanaceae | |
【 別 名 】 | オニグコ鬼枸杞、イヌクコ犬枸杞 | |
【薬用部位】 | 成熟果実(枸杞子)、葉(枸杞葉)、根皮(地骨皮) | |
【 成分 】 | 果実() 葉(ベタイン、ルチン、VC、β-シトステロール) 地骨皮(ベタイン、アルカロイド、リノール酸、β-シトステロール) |
|
【薬理作用】 | ①枸杞子の水浸液およびベタインはラットへの連続経口投与で抗脂肪肝作用がある。 ②クコの水およびアルコール抽出物は高コレステロール血症ラットおよびアテローム性動脈硬化症に対して抑制作用が認められる。 ③枸杞子の水抽出物はウサギに静脈内投与で血圧下降と呼吸興奮作用があり、摘出腸管で興奮作用、ウサギ耳の血管で収縮作用を示す。これらの作用はアトロピンによって拮抗される。(コリン様作用) |
|
【 備 考 】 | 挿し木で簡単に増えるので一鉢作っておくと便利。 1963年頃枸杞の大ブームがあり取り尽くされみたいだったが、最近はよく見かけるようになった。 |
|
枸杞葉 | ◆5~10gを煎服、高血圧、動脈硬化の予防、健胃、強壮、解熱 | |
クコの実 | 枸杞子 LYCII FRUCTUS |
【 薬 性 】 | 性味‥甘平無毒、帰経‥入肝肺腎三経 |
【 成分 】 | ベタイン、カリチノイド、VC、ルチン |
【薬理作用】 | ①枸杞子の水浸液およびベタインはラットへの連続経口投与で抗脂肪肝作用がある。 ②クコの水およびアルコール抽出物は高コレステロール血症ラットおよびアテローム性動脈硬化症に対して抑制作用が認められる。 ③枸杞子の水抽出物はウサギに静脈内投与で血圧下降と呼吸興奮作用があり、摘出腸管で興奮作用、ウサギ耳の血管で収縮作用を示す。これらの作用はアトロピンによって拮抗される。(コリン様作用) |
枸杞子は、肝細胞内の脂肪沈着を抑制し、肝細胞の新生を促進する作用がある | |
【 功 效 】 | 滋補肝腎・強壮筋骨・益精明目・潤肺止咳 (常用薬剤選輯) |
【 主 治 】 | 虚労精血不足・腰膝痠軟・陽痿・遺精・頭暈目眩・多涙・虚弱消痩・糖尿病・肺結核 (常用薬剤選輯) |
【効 用】 | ●枸杞子5~10gを煎服、滋養強壮、肝腎を滋補する、枸杞子酒を1杯飲んでもよい。『枸杞子酒』枸杞子200g、グラニュー糖200g、ホワイトリカー1.8L、3~6ケ月熟成 |
●肝炎や肝硬変の方は生薬の枸杞子を毎日20~30粒食べると良い | |
●血糖降下作用がある。 | |
●ベタインはコリンの生体内代謝産物であり、コリン代謝系のメチル供与体としてベタインの抗脂肝性作用が説明されている。クコ水製エキスにはベタイン同様抗脂肝性ならびに肝機能保護力があることも証明されている。 | |
【備 考】 | 肝腎を平補するための常用薬である。寒性でも熱性でもないので、陰虚・陽虚のどちらに使用してもよい陰虚の方によく効く。 |
【出 典】 | 枸杞.一名杞根.一名地骨.一名苟忌.一名地輔.味苦寒.生平澤.治五内邪氣.熱中消渇.周痺.久服堅筋骨.輕身耐老.(神農本草経上品) |
【処 方 例】 | 杞菊地黄丸、一貫煎 |
地骨皮 | 地骨皮 LYCII RADICIC CORTEX |
【 薬 性 】 | 性味‥甘寒無毒、帰経‥入肺肝腎三焦四経 |
【 功 效 】 | 涼血瀉火・清熱止咳・滋養強壮・退虚熱・除骨蒸 |
【 主 治 】 | 咳嗽吐血・労熱有汗骨蒸・結核病潮熱・久熱不退・肌熱虚汗・頭風頭痛・胸脇疼痛・糖尿病 (常用薬剤選輯) |
【効用】 | ■3~5gを煎服、解熱、高血圧に |
■解熱、強壮薬として、結核の潮熱、咳嗽、吐血、煩熱消渇、陰虚で多汗の症に応用する | |
■風寒感冒による発熱には用いない。脾虚の泥状便にも使用しない。一般に虚熱・労熱に使用する。 | |
【備 考】 | ■地骨皮は肺熱を冷まし、牡丹皮は肝熱をを冷まし血分の実熱を冷まし・活血祛瘀の効能もある。古人は牡丹皮は無汗の骨蒸を治し、地骨皮は有汗の骨蒸を治すと言っているが、現在では汗の有無にかかわらず使用している。 |
【処 方 例】 | 滋陰至宝湯、清心蓮子飲、地骨皮湯、瀉白散 |