【基原植物】 |
コブシMagnolia kobus |
【 生薬名 】 |
辛夷MAGNOLIAE FLOS |
【 科 名 】 |
モクレン科Magnoliaceae |
【 別 名 】 |
辛雉、侯桃、房木、以上神農本草経、木筆、迎春、以上本草綱目拾遺 |
【薬用部位】 |
花蕾 |
【 成 分 】 |
シトラール、シネオール、オイゲノール |
【薬理作用】 |
辛夷の水浸エキスは、骨格筋収縮作用があるが、中国産は日本産に比べその作用が強い。作用の本態はアルカロイドであろう。辛夷の製剤を鼻に滴下すると、鼻粘膜上にタンパクの凝固物が生じ、分泌物が減少する。ただし内服による鼻粘膜への影響については今後の研究を待たねばならない。 |
【 薬 性 】 |
性味‥辛温無毒、帰経‥入肺胃二経 |
【 功 效 】 |
散頭面風熱・通鼻竅・鎮静鎮痛 |
【 主 治 】 |
鼻炎・鼻塞・鼻蓄膿・頭痛・歯痛・面腫・瘡毒 |
【 効 能 】 |
●鼻づまりを通し頭痛を止める効能がある |
●蓄膿症、鼻炎には、辛夷15g、蒼耳子9g、白止30g、薄荷葉15gを細末として毎食後6gずつ服用 |
●鼻づまりに1日5~10gを煎服 |
●蓄膿症に1日2~3g |
●漢方でも風邪、頭痛、蓄膿症などに処方に加味したりして使う
葛根湯加辛夷川弓、辛夷清肺湯など |
●単味で使うよりも葛根湯などに加味して使うのが一般的で治療効果も上がる |
●副鼻腔炎によく用いる。副鼻腔炎、慢性鼻炎による頭痛・鼻づまり・膿性鼻汁に効果がある。白芷・防風・細辛などを配合して用いる。蒼耳子・荊芥・黄芩などを配合してもよい。 |
【 備 考 】 |
●タムシバ、ハクモクレン、シデコブシ等の蕾も辛夷として使う |
【出 典】 |
辛夷.一名辛矧.一名侯桃.一名房木.味辛温.生川谷.治五藏身體寒熱.風頭腦痛.面皯.久服下氣.輕身明目.増年耐老.(神農本草経上品) |
【処 方 例】 |
辛夷清肺湯、葛根湯加辛夷川芎、辛夷散 |