【基原植物】 |
キハダPhellodendron amurense |
【 生薬名 】 |
黄柏(黄檗)PHELLODENDRI CORTEX |
【 科 名 】 |
ミカン科Rutaceae |
【 別 名 】 |
キワダ、ダラニスケ。柏皮、蘗木 |
【薬用部位】 |
コルク層を除いた樹皮 |
【 成 分 】 |
ベルベリン、オーバクノン、オーバクラクトン、パルマチン、などのアルカロイド |
【薬理作用】 |
①in vitroでブドウ球菌に対する抑制作用が最も強く、赤痢菌、ジフテリア菌、肺炎球菌、連鎖球菌にも強い殺菌作用がある。人型結核菌の抑制する。
②真菌に対して黄連に似ているが効力は弱い。 ③動物実験では局所の充血を軽減する。 |
【 薬 性 】 |
性味‥苦寒無毒、帰経‥入腎膀胱二経 (常用薬剤選輯) |
【 功 效 】 |
瀉火解毒・清熱燥湿・消炎制菌・健胃止瀉 (常用薬剤選輯) |
【 主 治 】 |
熱痢泄瀉・湿熱黄疸・骨蒸労熱・痔瘡便血・淋濁・赤白帯下・目赤口瘡咽痛・癰腫瘡瘍・胃腸炎・腹痛 (常用薬剤選輯) |
【 効 能 】 |
●苦味健胃薬として下痢、消化不良、食欲不振などに1日量5gを煎じて服用、粉末は1日1gを3回に分けて服用 |
●感冒時などの咽痛には粉末0.1~0.2gを水100mlに溶いてうがいをする、少量の水に溶かしながら希釈する。多量の水では黄柏は団子状に固まる。 |
●殺菌力があるので擦り傷や切り傷に粉をふりかける |
●打撲には粉末を水で練って患部に湿布する。(クチナシの実の粉末を同量加えるとより効果的)。黄柏入りの湿布剤が多く存在する。 |
●抗消化性潰瘍、肝障害改善、抗炎症、中枢抑制(鎮静・解熱)、降圧、免疫抑制、鎮痙、利胆などの作用が認められている |
●清熱乾湿・瀉火解毒・清虚熱の薬能を有する |
●陀羅尼助丸は古来より下痢止め薬として今でも人気がある |
【 備 考 】 |
黄柏・黄芩・黄連はほぼ同じような効能をもっており、よく相互に配合して用いる。③者の区別は、黄芩は肺熱をさまし、黄連は胃熱をさまし、黄柏は下半身の湿熱を除去する。 |
【出 典】 |
蘗木バクボク.一名檀桓.味苦寒.生山谷.治五藏腸胃中結氣熱.黄疸腸痔.止泄利.女子漏下赤白.陰陽蝕瘡.(神農本草経中品) |
【処 方 例】 |
黄連解毒湯、梔子蘗皮湯、白頭翁湯、二妙散、知柏地黄丸 |