ケイ 生薬「桂皮」
【起源植物】 | ケイ(日本名はないが便宜上「ケイ」とした) | |
【 生薬名 】 | 桂枝、桂皮、肉桂 | |
【 科 名 】 | クスノキ科 | |
【 別 名 】 | スパイス名「シナモン」 | |
【薬用部位】 | 桂枝:枝 桂皮、肉桂:樹皮(コルク層を去る) 桂皮の中でも肉厚で精油含有量が多いものを肉桂というが、日本国内での流通はない |
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【 主成分 】 | ケイアルデヒド(精油)、ショ糖、タンニンなど | |
【 薬 性 】 | 気味は辛甘温、帰経は心肺膀胱に属す | |
【 効 能 】 | ●発汗解表・温通経脈・通陽化気の薬能がある | |
●発汗・解熱・鎮痛・健胃・整腸の効能があり、頭痛・発熱悪寒・汗出て痛みがあるとき良く使う | ||
●健胃整腸には粉末にして1日1gをそのまま服用 | ||
●中医学では辛温解表薬という薬効群に属す、感冒などでゾクゾクする様な時に体を温め汗を出して治療する、1日4〜5g | ||
●神経痛にも煎じて服用、1日4〜5g | ||
●漢方で桂皮は不可欠の生薬で様々の処方に配合されている | ||
●発汗解熱、鎮静・鎮痙、末梢血管拡張、降圧、抗血栓、抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー、抗菌、水分代謝調節、消化吸収抑制などの作用が認められている | ||
【 処方例 】 | ●桂皮が主薬の桂枝湯は漢方薬の中でも最も基本となる処方で、これに様々な加減をした処方が何十とあります | |
●葛根湯:風邪の初期に、引いたかなと思った時に飲むのがコツ ●桂枝加朮附湯:神経痛やリウマチに使う重要な処方です ●小建中湯:子供の漢方薬として有名。虚弱児の体質改善に、大人でも使います。ぎっくり腰、アトピー、喘息まで幅広く使います。気虚という元気が無くなった時に飲むと元気が出てきます。下痢や便秘、特に腹痛にもよく使います。 ●苓桂朮甘湯:低血圧、立ちくらみ、めまいに使います。水を飲む割に小便の量が少なく、胃に水音がする事があります。 |
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【 備 考 】 | ●和菓子に使うニッキはニッケイという植物の根皮で桂皮とは全く別の植物になります。 | |
●セイロン産、ベトナム産、中国産とあるがベトナム産が最良品で製油含有量も多いものが多い |