カワラヨモギ   生薬「綿茵陳(左)と茵陳蒿(右)」


【起源植物】 カワラヨモギ  Artemisia capillaris
【 生薬名 】 茵陳蒿  ARTEMISIAE CAPILLARI SPICA
【 科 名 】 キク科  Compositae
【 別 名 】
【薬用部位】 茵陳蒿 花穂 日本で主に使われているもの
綿茵 若い茎葉 中国ではこれを主に使う
花穂(茵陳蒿)または若葉(綿茵陳)は同様に使って差し支えない
【 主成分 】 スコパロン(綿茵繧ノはほとんど含まれていない)、クロロゲン酸、カフェー酸、キャピリン、
βピネン、カピラリシン、ジメチルエスクレチン
【 薬 性 】 気味は苦微寒、帰経は脾胃肝胆に属す
【 効 能 】 ●黄疸の聖薬と呼ばれている
  茵陳蒿10〜20gと山梔子10gを煎服するとよい
●茵陳蒿湯や茵陳五苓散は黄疸に利用されている
蕁麻疹、肝炎、浮腫に1日10〜20gを煎服する
●煎じる時に山梔子2〜3g加えると効果的
●日本では花穂を茵陳蒿として用い、中国では春先の若葉を乾燥したものを茵陳蒿(日本では区別するために綿茵陳と呼ぶのが一般的)としている
●解熱、消炎性利尿
●肝障害改善、利胆、抗炎症、抗腫瘍、抗菌などの作用が認められている
●キャピリンには抗菌作用があるが、茵陳蒿が含有量が多い
●スコパロンやクロロゲン酸、カフェー酸には胆汁分泌促進作用がある
●解熱・コレステロール低下・血圧下降なども確認されている
 【 出 典 】 神農本草経 : 「風濕、寒熱邪氣、熱結、黄疸を治す」とある
【処 方 例】 茵陳蒿湯、茵陳五苓散
【 備 考 】 生薬画像「広島の薬草より」
かつて収穫量が少なかった時にはクソニンジンの花穂が混入されたが、今では混入はない