【基原植物 】 |
カラスビシャクPinellia ternata |
【 生薬名 】 |
半夏(ハンゲ)PINELLIAE TUBER |
【 科 名 】 |
サトイモ科Araceae |
【 別 名 】 |
へそくり |
【薬用部位】 |
コルク層を除いた球状の塊茎 |
【 主成分 】 |
βシトステロール、制吐成分セレブロシド、フェノール類
アルカロイド(エフェドリン)、アミノ酸、蓚酸カルシウム |
【薬理作用】 |
半夏煎じ液は硫酸銅および塩酸アポモルヒネによる催吐作用を抑制する。この鎮吐作用を有する成分は水溶性グルクロン酸誘導体と1種の配糖体により、前者は150mg、後者は60mgで、それぞれイヌの塩酸アポモルヒネによる嘔吐を鎮静する。 |
【 薬 性 】 |
性味‥辛温有毒、帰経‥入脾胃肺三経(常用薬剤選輯) |
【 功 效 】 |
燥湿化痰・降逆止嘔・止咳鎮静・和胃健脾・消腫散結(常用薬剤選輯) |
【 主 治 】 |
痰飲積聚・湿痰喘咳・悪心嘔吐・胸脘脹満・胃内停水・咽喉腫痛・中風痰厥・眩暈・頭痛・不眠・外治癰腫(常用薬剤選輯) |
【 効 能 】 |
●嘔吐、悪阻、咳痰、利尿、鎮静 |
●1日3~10g、十円位のひね生姜を4~5枚加える |
●嘔吐を鎮める作用が強く小半夏加茯苓湯は妊婦の悪阻に頻用されている |
●体内の余分な水分(湿)による咳や薄い痰を取り除く、この湿を利尿作用として取り除くこともある |
●漢方にはなくてはならない生薬で水分の停滞、代謝障害、嘔吐に頻用する |
●軽度に眼圧を低下させる |
●半夏は単味で使うことはまずない |
【 備 考 】 |
オオハンゲの塊茎も半夏として使う |
●半夏を口に含むと喉に強烈な刺激がある、この刺激は生姜によって緩和される。そのためか、半夏と生姜はペアで漢方処方に配合されることが多い |
【出 典】 |
半夏.一名地文.一名水玉.味辛平.生川谷.治傷寒寒熱.心下堅.下氣.喉咽腫痛.頭眩胸脹.欬逆腸鳴.止汗.梓白皮シハクヒ.味苦寒.生山谷.治熱.去三蟲.華葉.擣傅猪瘡.肥大易養三倍.(神農本草経下品) |
【処 方 例】 |
半夏瀉心湯、小柴胡湯、小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯、二陳湯、半夏散 |