【基原植物 】 |
カキDiospyros kaki |
【 生薬名 】 |
柿蒂KAKI CALYX |
【 科 名 】 |
カキノキ科Ebenaceae |
【 別 名 】 |
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【薬用部位】 |
へた(柿蒂)、葉、渋 |
【 主成分 】 |
蒂および葉にはウルソール酸ursolic acid、butulinic acid、oleanolic acid、triterpenic acidおよびブドウ糖、果糖が含まれる |
【薬理作用】 |
柿蒂の水煎剤は単味で臨床的に頑固な呃逆しゃっくりに対し有効であった。また柿蒂、竹筎、木香、代赭石各一銭を粉末にし三分に分け1分ごとに鶏卵一個、蜂蜜一酒盃を加えて水で服用するとより有効であった。柿渋は家兎の血圧を顕著に下降させ、臨床的にも高血圧、動脈硬化症に有効であり、その有効成分はタンニン様物質であるsibuolに関係あるものと思われる。。 |
【 薬 性 】 |
気味は苦平、帰経は胃に属す |
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【 効 能 】 |
●しゃっくりに柿蒂5~10g、10個位を煎服する、胃が冷えている事が原因のため、冷服しても効果が期待できない |
●柿の葉大さじ1杯(10~20g)をお茶代わりに飲むと動脈硬化予防、高血圧、利尿作用、止血に、成分にVCや配糖体を含む |
●柿の葉茶はコーヒーや緑茶などと同時服用は避けること |
●柿の渋をコップ半分の水に数滴溶かしたものから飲み始め1回10gまで増量していく、高血圧予防に内服する |
●柿の渋をしもやけに塗っても効果的、成分はVP類似のタンニン |
【 備 考 】 |
柿霜は果実の表面に生じた白い粉でmannitからなる。柿漆(柿渋)は未熟果実を圧搾して得た果汁を乾燥したものでタンニン様物質sibuolを含む。若葉にはVCを含む |
【出 典】 |
柿、味甘、寒、無毒。主通鼻耳気、腸澼不足。(名医別録中品) |
【処 方 例】 |
柿蒂湯(柿蒂5.0;生姜4.0;丁子1.0)、
丁香柿蒂湯(柿蒂・桂枝・半夏・陳皮各3.0;丁香・良姜・木香・沈香・茴香・藿香・厚朴・縮砂・甘草・乳香各1.0) |