【基原植物】 |
ハマスゲ Cyperus rotundus |
【 生薬名 】 |
香附子 CYPERI RHIZOMA |
【 科 名 】 |
カヤツリグサ科Cyperaceae |
【 別 名 】 |
香附、沙草根、雷公頭。雀頭香 |
【薬用部位】 |
球茎、髭根、鱗葉を去ったもの光香附という |
【 成 分 】 |
精油1%(セスキテルペンのシペレン、シペロール、モノテルペンのl-α-ピネン、シネオール)、ブドウ糖、果糖、脂肪油 |
【 薬 性 】 |
性味‥辛微苦平無毒、帰経‥入肝胃三焦三経 |
【薬理作用】 |
香附子のエタノールエキスはマウスに対して顕著な鎮痛作用がある。また香附子の浸出液はモルモット、家兎、猫、イヌなどの摘出子宮に対して、収縮作用、子宮筋の緊張の弛緩作用があり、これは実受胎動物に関係ない。香附子の作用は当帰の作用に比べて弱いが、その弛緩作用はよく似ている。 |
【 功 效 】 |
理気解欝・調経止痛・芳香健胃・鎮痙鎮静 (常用薬剤選輯) |
【 主 治 】 |
気鬱不舒・胸悶嘔吐・下痢腹痛・消化不良・食慾不振・神経性胃痛・経痛・胎産諸症・癰疽瘍傷 (常用薬剤選輯) |
【 効 能 】 |
●中医学では行気薬(理気薬)に分類 |
●李時珍は本草綱目で香附子は十二経八脈の気分に行ると記載 |
●『和剤局方』では「常に服すれば胃を開き、痰を消し、雍を散じ、食思を進める。朝早く旅立つとき、登山の際には就中これを服するが良い。邪を去り、瘴を避ける。」とある |
●花期の地上部は煎じて飲むと、気鬱を散じ、胸膈を利し、痰熱を降ろすという |
●香蘇散は胃腸の弱い者の初期の感冒、虚弱者の気鬱症や生理痛などに用いる |
●香蘇散は魚による蕁麻疹には特効薬的に使い、長服すれば体質改善薬にもなる |
【 備 考 】 |
古人は香附子を「気病の総司・「女科の主帥」であるといい、広く気滞による疼痛、特に月経痛や月経不順に用いている |
【出 典】 |
莎草根、味甘、微寒、毒無し。胸中熱を除き、皮毛を充すを主る。久しく服せば、人を利し、気を益し、鬚(ひげ)眉(まゆ)を長くす。一名蒲(甫が高)、一名侯莎、其の実名緹。田野に生ず。二月、八月に採る。(名医別録) |
【処 方 例】 |
香蘇散、五積散、川芎茶調散、竹茹温胆湯、二朮湯、女神散 |