【基原植物】 |
ガジュツ Curcuma zedoaria |
【生薬名】 |
莪朮 ZEDOARIAE RHIZOMA |
【 科 名 】 |
ショウガ科Zingiberaceae |
【 別 名 】 |
紫ウコン |
【薬用部位】 |
根茎 |
【 主成分 】 |
精油(シネオール、カンファー、アズレン)、サポニン、フラボン配糖体 |
【 薬 性 】 |
性味‥苦辛温無毒 帰経‥入肝経 (常用薬剤選輯) |
【 功 效 】 |
行気破血・消瘀通経・健胃化食・駆風止痛 (常用薬剤選輯) |
【 主 治 】 |
心腹諸痛・経閉腹痛・気血凝滞・癥瘕積聚・消化不良・脘腹脹痛・跌打傷痛(常用薬剤選輯) |
【 効 能 】 |
●漢方的効能は活血、理気、消癰、止痛 |
●駆風、鎮痛、去痰、排膿作用も認められている |
●芳香性健胃薬、利胆剤 |
●1日2~3gを煎服 |
●肝臓癌や胃癌、子宮頸癌などに対し、抗癌作用や血塊を消退する作用(破於作用)が認められ、中国では臨床に応用している
→漢方処方に莪朮単独か三稜などと配合して用いる |
●虚弱者には人参・白朮等の補気剤を併用する配慮が必要 |
●気滞血於による月経痛や無月経などで下腹部に腫瘤を認めるときに使う |
●妊婦、月経過多には禁忌。 |
●利胆作用がありコレステロール値を下げ血液を浄化する(駆瘀血作用) |
●気滞血於による肝硬変などにも使う |
●ピロリ菌に対して殺菌作用があるとの報告がある。ピロリ菌は胃癌を誘発するとも考えられており、胃癌の予防になるといえるでしょう |
●胃・十二指腸潰瘍、肝臓障害、肝炎、肝硬変などの上部消化器系疾患に歴然とした効果がある |
●歯周囲病には粉末で1回1g、1日3回良くマッサージする |
【 備 考 】 |
気血両虚及脾胃虚弱而無積滞者忌用 |
莪朮と三稜は効用がよく似ていて、一味で行血、散瘀の薬となる。莪朮には開胃、消食と健脾の効を兼ね備えていて、これは三稜にはない効能で、両者をともに用いて消積、散瘀の効能はさらによくなる。蓋し血を治すには必ず先ず気を理せねばならない。三稜と莪朮は気を行らす効があり、よって血阻、気滞の諸痛の症に効があるのである。三稜は血を破る力が比較的強く、莪朮は気を破る力がやや勝っている。 |
【処 方 例】 |
恵命我神散、莪朮丸など |