ドクダミ花 生薬「十薬」


【基原植物】  ドクダミ Houtunia cordata
【生薬名】  十薬 HOUTUNIAE HERBA
【 科 名 】 ドクダミ科Saururaseae
【 別 名 】 重薬、にゅうどうぐさ、魚腥草、戎菜
【薬用部位】 開花期の全草
【成 分】 精油:デカノイドアルデヒド・ラウリルアルデヒド(この2成分が特異臭の正体)、メチルノニルケトン。フラボノイド:クエルチトリン、イソクエルチトリン。
 【薬理作用】 1.煎じ液はマウスの皮下、腹腔内投与で、自発運動抑制などが見られ、ネコ静脈内投与で中枢抑制作用が認められる。 2.クエルチトリンには、強い利尿作用、強心作用、血管収縮作用、毛細血管強化作用、糖尿病、白内障阻止作用などが認められる。 3.デカノイドアルデヒドにはカビの発育を抑え、水虫、タムシ、インキンタムシ等に抗菌作用があり、ブドウ状球菌、淋菌、好酸性の細菌にも有効である。 4.水溶性成分はマウスまたはラットの急性起炎物質浮腫と急性熱傷性浮腫に対し抑制作用を示す。 5.全草浸出液は血管に対して一過性の収縮の後、拡張させ、血流量を増大させる。
【薬 性】 性味:辛微温有小毒  帰経‥入肺・大腸・膀胱三経 (常用薬剤選輯)
 【功 效】 清熱解毒・排膿消腫・利尿緩下 (常用薬剤選輯)
 【主 治】 肺膿癰・肺炎・尿道炎・淋疾・梅毒・子宮炎・胎毒・瘡毒・水腫・動脈硬化予防・外治瘡腫痔瘡 (常用薬剤選輯)
【効 能】 ●解毒排膿薬として、化膿症、湿疹など皮膚疾患及び蓄膿症、中耳炎に用いる。
●漢方では、肺膿瘍に用い、その他、利尿、緩下薬、清熱解毒、利水消腫。
●10~20gを煎服、便秘、利尿、排膿、動脈硬化予防、血圧調整、高血圧、痔
●取れたての葉を手でもんで鼻の穴に交互に詰めると蓄膿・鼻づまりによい
●生葉をアルミ箔に包んで蒸し焼きにして出来た、ドロドロの物を患部に張り付けると怪我などの膿出しに大変良く効く。
●ほんの30数年ほど前、私などの田舎の子どもは外でどろんこになって遊んでおり怪我をするとヨモギやドクダミをよく揉んで塗ったりして使っていました。 (^_^;)
●煎じるとあの特異臭はほとんど消失し意外に飲みやすい
【 備 考 】 我が家の熱帯魚の水槽にはドクダミを植えています
【出  典】 蕺、味辛、微温。主蠷、溺瘡、多食令人気喘。(名医別録)蕺はドクダミと思われる。
【処 方 例】 魚醒草桔梗湯(魚腥草、桔梗)は、肺膿腫、肺炎で発熱、咳嗽、腐臭のある膿性の痰が出る時に