ダイダイ  生薬「枳実」


【基原植物】 ダイダイCitrus aurantium var.daidai
【 生薬名 】 枳實、枳穀、橙皮
【 科 名 】 ミカン科Rutaceae
【 別 名 】 代代
枳穀Aurantii Fructus
【薬用部位 未熟果実、夏みかんの未熟果実も枳実として使う
 【 主成分 】 精油、フラバノン配糖体
 【性  味】 気味‥苦酸微寒、帰経‥入脾胃二経
 【 功 效 】 理気開胸、開胃健脾、消積化滞、?痰除痞 
 【 主 治 】 食積痰滞、胸腹痞満脹痛、消化不良、風痺麻痺、労気咳嗽、子宮下垂、瀉痢、脱肛 
 枳実Aurantii Immaturus Fructus
【薬用部位 未熟果実、夏みかんの未熟果実も枳実として使う
【 主成分 】 精油、フラバノン配糖体
 【 功 效 】枳穀 利膈寛胸、痞満脹痛、破気消積、?痰除痞
 【 主 治 】枳穀 胸脇痰癖、痞満脹痛、嘔逆咳嗽、食積、大便秘結
 【薬用部位 精油、フラバノン配糖体
橙皮
【薬用部位】 橙皮:成熟果実の果皮
【 主成分 】 精油、フラバノン配糖体
【 性 味 】 橙皮:気味は微辛微苦平、帰経は不明
【 効 能 】 
◆枳実、枳穀 ●行気消積(健胃・胸腹の膨満改善)の薬能を有す
●胃腸運動亢進調整、平滑筋弛緩、子宮収縮抑制、血液凝固抑制、抗炎症、抗アレルギー、抗腫瘍作用が認められている
●成熟果実は枳穀といい、枳実の効果の弱いものとして虚証には枳実よりも枳穀を利用する
◆橙皮 ◆芳香性苦味健胃薬、および鎮静、去痰、解熱薬として応用される
◆食思不振の健胃剤として、また胃腸が悪く胃がつかえる、嘔吐、つわり、胃部痛に、自律神経緊張しやすい人の痰や咳に、橙皮末を1回1〜2gを1日3回にわけて食前に服用する
◆風邪に橙皮、生姜、甘草を合わせ煎服したり、橙皮4〜5gに生姜をいれ砂糖を加え熱湯を注いで熱いうちに服用する
◆陳皮の代用とするが効果がかなり落ちる 
◆果汁は橙酢として料理に使われる
 【 備 考 】 ●黄色の果実を収穫せずそのままにしておくと色が緑変わっていき、次の世代の果実が同じ木になるので「代代」の名が生まれた
●正月のお飾りには欠かせない果実