オオムギの穂 生薬「麦芽」   


【基原植物 】  オオムギ Hordeum vulgare var. hexastion
【 生薬名 】  麦芽 RUCTUS HORDEI GERMINATUSF
【 科 名 】 イネ科
【 別 名 】 穰麥糵げつ、麥糵、草大麦、浮小麦
【薬用部位】 大麦の種子を発芽させてモヤシを乾燥したもの
【 主成分 】 アミラーゼ、デンプン、タンパク質、ジアスターゼ、麦芽糖、ビタミン類
【 性 味 】 気味は甘鹹無毒、入脾胃二経 (常用薬剤選輯)
 【 功 效 】 和中健胃、消食除満、下気回乳 (常用薬剤選輯)
 【 主 治 】 食積脘腹脹滿、食慾不振、脚気病、乳脹 (常用薬剤選輯)
【 効 能 】 ●消化促進作用、ペプシンや胃液分泌を軽度に促進する
●一般的な消化不良や食欲不振に効果がある、特に小児に適しているといわれる
●1回4~10g、( 0.5~2公克 常用薬剤選輯)
●哺乳の中止や離乳により乳汁が鬱血し乳房がはって困るものに1回10gを7~10日ほど続けて煎服させると効果がある、やや多めに使うのがこつ
●妊婦が服用すると早産または流産することがある
●バッカクアルカロイドと同じ効果を有するとの報告もある。
 【 備 考 】 麦芽は一味では健脾、健胃の薬である。が、人参や朮とは異なる。これらは補益の薬であって消導の効能はない。麦芽は水谷を消化し、脾胃を健やかにするのであって、脾胃の虚弱を補うものではない。張錫純は、補助脾胃薬の佐使薬とし、もし人参、朮、黄耆などと併用すれば、能く補益の力が益し、腸満を去ると言っている。
 【出  典】 大麥糵 味甘にして無毒、能く宿食を消化し、冷気を破り、心腹腸満を去る(薬性論)
 【処 方 例】 半夏白朮天麻湯、補脾湯、化食養脾湯