アカネ(コタロー漢方研究より) 生薬「茜草根」 茜草根(コタロー漢方研究より)


【基原植物】 アカネRubia akane  日本・韓国産、アカミノアカネ R.cordifolia 中国産
【 生薬名 】 茜草【生 薬 名】茜草 RUBIAE RADIX
【 科 名 】 アカネ科Rubiaceae科 
【 別 名 】 蒨せん、紅茜草、茜草根、牛蔓、地紅
【薬用部位】 新鮮な根、あるいは乾燥した根
【 主成分 】 アントラキノン色素プルプリン、rubierythric acidalizarin
【薬理作用】  ①茜草の温浸液は蛙の水かきの血管を拡大させ、また家兔の血液凝固時間をやや短縮させるので、軽度の止血作用ががある。
②ブドウ球菌に対して抑制作用が認められる
【 薬 性 】 気味‥苦寒(苦涼) 、帰経‥ 肝経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 涼血止血・祛瘀生新・通経行血・鎮痛利尿  (常用薬材選輯)
【 主 治 】 吐血・衂血・血尿・崩漏・各種出血・跌打損傷・血瘀經痛・月経閉止・黄疸水腫・寒湿風痺・痔瘻瘡癤  (常用薬剤選輯)
【用 量】  6~15g、新鮮品は15~30g。  通常日本では1/3位で使用する。
【 効 能 】

●熱証の出血に用いる

●不正性器出血にもちいる、生理後も少量の出血が長期間続き出血量が多く激しいときは炒炭して用いる
●熱証の吐血・鼻出血に用いる、血虚の吐血・鼻出血には禁忌である
●通経、浄血、解熱、強壮には、1日量5~10gを水200mlで半量に煎じ分3服用する、鼻出血にも同様に用いる
●扁桃炎や口内炎、歯痛には3~5gを水で煎じ、冷後1日数回うがいをする
●切り傷の洗浄・消毒にはアルコール100mlに10~15gを1週間程浸したものを塗る
●生で用いると凉血・止血し、炒炭すると止血作用がある
【禁  忌】 無瘀滞及び孕婦忌用
【出  典】

●茜根.味苦寒.生山川.治寒濕風痺.黄疸.補中。(神農本草経上品)
●鼻血、血尿、産後の出血、月経不調、痔出血などには酒で煎じ服用する(本草綱目)
●この草を久しく服用すれば精氣を益し身を軽くする、吐血して止まないときは茜草根を粉末にして二銭を煎じて服用する。(名医別録)
●茜草、通行水。色赤入營、気温行滞、味酸走肝、而鹹走血。入厥陰血分、能行血止血、消瘀通経。治風痺黄疸、崩運撲損、痔瘻瘡癤。血少者忌用。根可染絳忌鉄。(本草備要)

【処 方 例】 固衝湯、茜根散
【 備 考 】  ●古くから絹を紅く染めるのに用いられていた

●根を煮た汁がまだ熱いうちに、前もって灰汁で処理した布をつける。これを何回も繰り返していくとむ、緋色に染まる。灰汁の濃度が薄いと黄に、濃いと赤みが深くなる。

●2004年6月23日、アカネ色素(セイヨウアカネRubia tinctorum由来)には、遺伝毒性及び腎臓への発がん性があるので食品添加物の使用が禁止と厚生省より通達があった。 
●赤色色素の原料だが、マウスに対して発がん性のあるLucidinおよびLucidin-3-primeverosideがふくまれ色素として使われなくなった。薬用として用いる場合も注意が必要。