【基原動物】 |
シナゴキブリの雌 Eupolyphaga sinensis |
サツマゴキブリの雌 Opisthoplatia orientalis |
【 生薬名 】 |
䗪虫EUPOLYPHAGA |
【 科 名 】 |
ゴキブリ科(Blattidae) |
【 別 名 】 |
地鼈、土鼈(土鼈虫)、簸箕虫ハキチュウ、土虫、土元、地蜱虫ジヒチュウ、など
陶弘景は、形態は扁平で鼈(スッポン)のようなので土鼈と名付けるとある。 |
【薬用部位】 |
全体、 |
【 成 分 】 |
未詳 |
【 薬 性 】 |
気味は鹹寒、有毒、帰経は肝に属す |
【 薬 能 】 |
駆瘀血剤薬として用いる。婦人科では、通経、駆瘀血の目的で常用するが、堕胎作用あり妊婦には禁忌。内科では、腹中の瘀血を去らしめ、外科では骨折、捻挫などの治療に応用する。䗪虫には鎮痛効果もあり、口内炎や乳汁不通にも用いられる。 |
【 効 能 】 |
●陳久於血剤といって普通の瘀血薬では効果のない場合に使う |
●古血のうちでも特に頑固なものを散らします、金匱要略には乾血とあります。処方例には大黄䗪虫丸があります |
●一般に、日本ではあまり使うことのない生薬です |
●打撲損傷で内出血か骨折があるときに使用する。腫脹の消退・鎮痛を促進する。内服では、1日2~3g酒服する。 |
●子宮筋腫にも応用する |
●ガンにも試験的に用いられている |
【 出 典 】 |
●䗪蟲.一名地鼈.味鹹寒.生川澤.治心腹寒熱洗洗.血積癥瘕.破堅下血閉.生子大良.(神農本草経・中品) |
産後の血積、負傷時の瘀血を去らしめ、舌下の膿腫、鵞口瘡、小児の腹痛、夜啼を治す。(李時珍) |
【備 考】 |
䗪虫と水蛭はともに破血する。䗪虫には行血・和血の効もあり薬性も激しくないので、虚証にも使用できるが、水蛭は破血のみで薬性も激しいので、一般には、虚弱者には用いない。 |
【注 意】 |
●妊婦には禁忌 |
【処方例】 |
大黄䗪虫丸、鼈甲煎丸、大鼈甲丸、下瘀血湯 |