カイコ  白僵蚕
ハクキョウサンorビャクキョウサン
蚕砂(サンシャ)


【基原動物】 カイコ Bombyx mori
【 科 名 】 カイコガ科Bombycidae
【別  名】 白強蚕、白彊蚕、白殭蟲、殭蟲、殭蠶(蚕)、天虫、蚕
【 生薬名 】 白僵蚕(はくきょうさん) BOMBYX BATRYTICATUS
【薬用部位】 白僵菌(ムスカルジン)に自然感染して倒れたカイコ
【成  分】 タンパク質、蓚酸カルシウム
【薬  性】 性味‥鹹辛平無毒、帰経‥入心肝脾肺四経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 袪風化痰・鎮驚解痙  (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 驚癇抽搐・中風失音・喉痺咽腫・頭風歯痛・丹毒瘙瘍・瘰癧結核(常用薬剤選輯)
【効  能】 ●鎮痙、鎮痛薬として、小児痙攣、扁桃炎、頭痛、歯痛のほか、中風こよる言語障害、半身不随などに内服する
●解熱、抗痙攣、去痰作用がある、1日3g
●破傷風や小児の熱性痙攣の鎮痙に
●頭部、顔面部、口腔疾患で熱証のある時、特に咽喉炎、咽喉部化膿症などで咽喉の腫脹疼痛、嗄声などに用いるとその清熱消炎腫脹消退の効果で音性を正常化する
●頸部リンパ節腫や種々のしこりに応用される
【備  考】
【出  典】 ●白彊蠶.味鹹平.生平澤.治小兒驚癇.夜啼.去三蟲.滅黒黯.令人面色好.男子陰癢病.(神農本草経・中品)
●白強蚕は能く風を去り、痰を化し、結を散じ、経を行らす効があり、風病の際の鎮痙の薬である。けだし厥陰、陽明の薬である。故にまた諸血病、瘧病、疳病を治す(李時珍)
【処 方 例】 白強蚕散、牽正散、天麻釣籐飲
【 生薬名 】 蚕砂(さんしゃ)     BOMBYCIS FAECES
【薬用部位】 乾燥したカイコの糞便
【成  分】 VA、VB、葉緑素
【薬  性】 性味‥甘而辛温、帰経‥入肝脾胃三経  (常用薬剤選輯)
【 功 效 】 息風止痙・袪風止痛・解毒散結・和胃化濁  (常用薬剤選輯)
【 主 治 】 中風口眼喎斜・半身不遂・肝風所致頭痛目赤・咽喉腫痛・皮膚頑痺・腰脚冷痛(常用薬剤選輯)
【応  用】 1.治湿邪内阻所致之腹痛・嘔吐・腹瀉或小腿肌肉痙攣痺痛・此可与呉茱萸・木瓜等配伍
2.治腰痺痛・湿阻経絡之一身煩重疼痛・風痺・湿疹瘙瘍・手足活動不便・此可与独活・牛膝配伍
【効  能】 ◆鎮痙、鎮痛、鎮静薬として、リウマチ、関節痛、神経痛、腰部冷痛、皮膚痒、中風の半身不随などに応用する。また結膜炎、瞼縁炎、などの炎症に外用薬としても用いる
◆去風湿、止血作用、1日3~5g
◆腰や膝の痺痛、四肢の運動障害
◆腹痛、嘔吐、下利、などの湿邪による急性胃腸炎
◆打撲捻挫に緑豆粉などを配合した粉末を酢で練って患部に貼る
◆婦人の不正性器出血には炒黄した粉末を酒服する
【 備 考 】
【出  典】 ●原蠶蛾屎(げんさんがし)、腸鳴、熱中、消渇、風痺、癮疹を治す(名医別録中品)
【処 方 例】 宣痺湯、蚕矢湯、蚕沙湯