生薬「海馬」  タツノオトシゴ
(魚マルチメディア図鑑より借用)
海馬補腎丸 



【基原動物】 オオウミウマ克史海馬Hippocampus kelloggi、イバラタツ刺海馬H.histrix
大海馬H.kuda、三斑海馬H.trimaculatus
【 生薬名 】 海馬(かいば)HIPPOCAMPUS
【 科名 】 ヨウジウオ科Syngnathidas、ウミウマ属Hippocampus
【 別名 】 水馬(すいば)、龍落子(りゅうらくし)、水雁(すいがん)、海蛆(かいそ)
【薬用部位】 全体(内蔵・皮を除くが、除いていないものが主流になりつつある)
【 主成分 】 アミノ酸、カルシウム
【薬理作用】 男性ホルモン作用があり、蛤蚧よりも強い。海馬エキス20mgを正常マウスに毎日32日間注射すると、交尾期を延長し、後尾体期を短縮する。去勢マウスでも21日間40mg/日の注射で交尾期が再現し、子宮および卵巣の重量は増加する。 
【 薬 性 】 気味は甘鹹微温、帰経はに属す
【 功 效 】  補腎壮陽・活血祛瘀 
【 効 能 】 ●強壮・滋養作用があり、効能は海竜とほぼ同じ。滋養強壮により全身の抵抗力を強くする
用量は5~12g
●腎陽虚の夜間頻尿、白帯下に海馬スープを飲む
●癤などの化膿性皮膚疾患に、特に小児の夏場の癤や膿疱は抵抗力が原因なので海馬5~6gと豚肉のスープを肉とともに食べるとよく、2~3服で回復するという
●強壮剤で興奮作用があり性欲を促進させる
●老人および衰弱者の精神衰弱にも用いる
●難産、陰萎に内服するほか、癥瘕、疔瘡腫毒などの症に応用する。また、鎮痛薬として腹痛などに用い、止痛薬として、粉末を外用することもある。
●海馬補腎丸は男女ともに腎の弱りによる性欲減退や腰痛、冷え、夜間尿などを改善する。八味地黄丸でいまいち効果の弱かったものによい
【備  考】 海馬はワシントン条約により輸入が出来ない
【注 意】  陰虚内熱・外感・脾胃虚弱には用いるべきでない。
【 出 典 】 水臓を暖め、陽道を壮にし、瘕塊を消し、疔瘡腫毒を治す。(本草綱目)
難産、及び血気痛に主効がある。(蘇頌)
婦人の難産には、これを焼いて末にして飲服する。(陳臓器)
【 処方例 】 海馬湯、海馬抜毒散、海馬補腎丸