【基原動物】 |
ミミズPheretima asiatica |
【 生薬名 】 |
地竜 LUMBRICUS |
【 科名 】 |
フトミミズ科(Megascolecidae) |
【 別名 】 |
白頸蚯蚓、土龍、龍子、曲蟺きょくせん、土蟺、堅蚕、寒引、歌女 |
【薬用部位】 |
内臓を去って乾燥したもの |
【成 分】 |
溶血性作用物質lumbritin、有毒成分terrestro-lumbrilysin、解熱作用物質lumbrofebrinチロシン誘導体、解熱成分arachidonic
acid |
【 薬 理 】 |
●ミミズの水溶性浸出物は大腸桿菌毒素による発熱及び温刺家兎にたいして解熱作用がある。この作用はアンチピリン、アミノピリン、キニーネよりも温和であるが、アミノピリンを添加すると作用は迅速になる。また知覚麻痺作用もありアミノピリン併用で持続時間は延長する●窒素含有成分はマウス及び家兎の肺に灌注すると顕著な気管支拡張作用を示す。●地竜チンキは動物実験で確かに降圧作用を有する。作用は緩慢で持続性がある。 |
【 薬 性 】 |
気味は鹹寒、帰経は胃脾肝腎に属す |
【 効 能 】 |
地竜は泄を降し、経絡を通じ、熱を清し、驚を定め、水を利し、喘を平らにする効がある |
痛利、経絡作用があり、リウマチ、半身不随に応用する |
喘息で熱症のある場合には地竜末を単用する |
解熱、鎮痙、利尿、解毒薬としてもちいるほか、民間薬的にも、解熱、利尿薬として根強い需要がある |
●解熱、利尿に3~5gを煎服 |
●地竜がなければシマミミズを取ってきて内臓を取り出して、生のまま煎服してもよい |
●過量に飲むとのぼせて興奮することがある |
●漢方では脳血栓などによく、長期にわたって使われている |
●補陽還五湯という脳疾患の後遺症等に使う処方にも配合されています
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【 備 考 】 |
地竜は性寒涼であり臨床に用いるには、熱哮の病症のある場合には適宜に用いなければならない。また、胃弱で食欲不振の者には多用すべきでない。 |
【 出 典 】 |
●白頸蚯蚓ハッケイキュウイン.味鹹寒.生平土.治蛇瘕.去三蟲.伏尸鬼注蠱毒.殺長蟲.仍自化作水.(神農本草経・下品) |
●中風、癇疾、喉痺を治す。(日華子本草) |
【 処方例 】 |
補陽還五湯、小活絡丹、地竜散など |